前回は、「富女子」になれる人、なれない人の決定的な違いを紹介しました。今回は、賃貸か持ち家か、「富女子」が選ぶならどちらなのかを見ていきます。

トータルで考えれば、家は絶対に買ったほうがいい!?

将来の生活を考える際、家は買うか借りるか、どちらがいいか迷う人は多いでしょう。しかし実は、この答えは非常に明確です。買ったほうがいいです。

 

買おうが借りようが、人には「住むところ」が必要です。そうであれば、後に資産として残るので、所有したほうが結局オトクなのです。

 

住宅の賃貸については、国の大きなサポートはありません。一方、購入については生前贈与の特例や住宅ローン減税などの優遇措置がとられることもあります。住宅の購入は、家電や家具の購入も促すなど景気浮揚効果があるので、政府も積極的に制度的なサポートをするのです。

 

高齢になると、保証人がいない、家主が孤独死を恐れるなどの理由で家を借りるのが難しくなるという心配もあります。年金もなかなかあてにできません。家があれば、老後の安心感がまったく違ってくるでしょう。賃貸でも購入でも、住宅に大きなお金が必要なのはいうまでもありません。

 

人生の買い物で、大きな金額を使うベスト3は家、保険、クルマです。クルマの値段はいろいろですが、クルマを買う人は何回も乗り換える場合が多いので、総額が1000万円を超えることも少なくないでしょう。クルマを持っていると、駐車場代やガソリン代、保険料などもずっと払い続けることになります。

 

生命保険も、普段はあまり意識していないかもしれませんが、数十年も払い続ければ、大きなお金になります。これに加えて、私たちは国民年金や健康保険など社会保険料もずっと払い続けています。ちなみに、サラリーマンが加入している厚生年金は、給料の17%を会社と折半で払っています。つまり、健康保険と合わせて自分の給料の14%以上を社会保険料として払い続けることになります。

 

しかし、クルマや保険よりも圧倒的にお金がかかるのが「家」です。これは桁が違います。クルマは都会に住んでいたら、無理に持っていなくてもいいでしょうし、保険もあれこれ入らない選択肢もあります。

 

一方、家は先に述べた通り、借りるのでも買うのでもどちらにせよ必要です。人は死ぬまで、住むことを途中でやめる、というわけにはいかないからです。

賃貸では毎月家賃を払い続けても資産として残らない

では実際に、家を借りる場合と買う場合にかかるお金を計算してみましょう。まずは、借りる場合についてです。

 

30歳から60歳までの30年間、家賃1カ月12万円の家に住み、その後、家賃8万円の家に住み替えて80歳まで生きたとします。

 

家賃12万円×12カ月×30年 4320万円

家賃8万円×12カ月×20年 1920万円

更新料、引っ越し代300万円

合計6540万円

 

賃貸でも、結構たくさん払っていると思いませんか? それほど払っていないと感じるのは、長い時間をかけて少しずつ払っているからです。

 

最近の若い人が家を買わないのは、ローンを組みたくないからという理由が多いようです。後で詳しく説明しますが、たしかにローンを組むかどうかは重要な問題です。しかし、賃貸でも決して少なくない金額を払っているのです。

 

次に、5000万円の家を買う場合を見てみましょう。金利を2%として30年ローンで返済すると、金利は1700万円。これに固定資産税500万円をプラスすると、7200万円になります。

 

さきほどの賃貸の場合より1000万円近く多いですが、ローンが終われば、あとはずっと自分の資産になります。そう考えれば、この差額は、さほど大きいとは言えないのではないでしょうか。

本連載は、2015年3月24日刊行の書籍『富女子宣言 20代女子が5年で1000万円貯める方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

富女子宣言

富女子宣言

永田 雄三

幻冬舎メディアコンサルティング

かつて女性は結婚をして専業主婦になれば、「貧困」と呼べる状況に陥ることはまずありませんでした。 しかし、時代は変わりました。男性に頼らずに自分でお金を貯め、運用し、資産を築くための知識・ノウハウが、いま女性に求…

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