優先してはいけない「自分の好み」
前回の続きです。ただし、賃貸併用住宅を建ててローンを払っていくためには、人が借りたくなる家にしなくてはなりません。
「値段が比較的安かったから」
「デザインが気に入ったから」
こういう理由で、自分の収入では無理のある家を衝動的に買う人は、世間には非常に多くいます。
しかし、ローンを確実に返したかったら、家の価格や自分の好みより「人に貸せるかどうか」を基準に選ぶべきです。
では、どんな家が、家を借りる人にとって魅力的なのでしょうか。
これは地域の事情などでも変わってきますが、たとえば、都市部では駅に近いかどうかが重要なポイントです。私の経験でいうと、とにかく駅近に住みたいという人が5%はいます。駅から徒歩1分のところに住みたい人を捕まえられるような賃貸物件があれば、購入の対象として有力です。
駅に近い物件は、駅から遠い物件よりも一般に割高なのはたしかですが、確実に賃貸収入があれば、購入金額はさほど問題になりません。
参考までに私の例をお教えしましょう。
私が所有している賃貸併用住宅は、自宅部分も将来、人に貸せる家になるかどうかを考えて建てました。人に貸すとしたらリビングは広いほうがいいとか、風呂も窓が大きいほうがいいとか、設計の段階から考えました。
たとえば、子どものためにピアノが弾けるように完全防音にしました。ピアノが弾ける家はなかなかないので、子どもがいる人に家を貸すことを考えれば、メリットになります。床暖房があるのも売りになります。
自分が住むのだから個人の好みも大事、という考えもあるでしょう。しかし、30年以上ローンを組んで家を買わなくてはならないのなら、将来賃貸住宅として貸す可能性を考えることをオススメします。
ジャグジーがある、対面キッチンがあるというより、広いリビングがあるほうが一般的には貸しやすいです。バーベキューができるような広いベランダもいいでしょうけれど、その分リビングが狭くなることがあります。
子どもが東京の大学に入り、部屋を借りて一人暮らしがしたいと言ったら、私は将来賃貸することができそうなマンションを購入します。賃貸しやすい東京で子どもが部屋を借りるのは、もったいないと思うからです。
子育て中も賃料収入を得る「アパートオーナー」の富女子
私は、セミナーの受講生が家を買いたいというときには、必ず「人に貸せるの? 誰に?その客層はたくさんいるの?」と尋ねるようにしてきました。実際に、メンバーの中からは、賃貸併用住宅を建てたり、アパートのオーナーになっている20代富女子が続々と誕生しています。
最近、賃貸併用住宅を建てた女性は、小学校の先生で29歳。貯金を始めた5年前は、1000万円が貯まったら、海外に留学に行くと言っていましたが、5年の間に結婚し、子どもが生まれて状況が変わったため、1000万円を頭金にして賃貸併用住宅を建てることにしたのです。しかも「10年家賃保証」というシステムを利用しているので、10年間は、空室の心配も無用です。彼女は、「子育てで働けない間も、賃料が入るから、安心です」と笑っていました。
もう一人は、近々4室のアパートを建てる27歳の会社員です。自分で1000万円を貯めましたが、親に伝えたところ、親も1000万円を貸してくれることになり、2000万円の頭金で4000万円ほどのアパートを建てることにしたのです。ローンは日本政策金融公庫で借りました。支払いが完了するのは15年後。彼女はそれ以降、家賃収入をまるまる自分で自由に使えるようになるのです。
ぜひ、あなたにも彼女たちのような富女子を目指してほしいと思います。