賃貸と持ち家、それぞれのメリット・デメリット
前回の続きです。続いて、賃貸と持ち家の主なメリットを挙げて比較してみましょう。
【賃貸のメリット】
●いつでも好きなところに住める
●金利・固定資産税を支払う必要がない
●住宅ローンを背負わない
【持ち家のメリット】
●老後の心配が少ない
●資産を構築することができる
●団体信用生命保険(団信)に加入すれば、保険料が不要
では、次にデメリットについても触れておきます。
【賃貸で想定されるデメリット】
●家賃に加えて引っ越し代、敷金、礼金、更新料などがかかる
●土地や建物などの資産が残らない
●老後に不安が残る
【持ち家で想定されるデメリット】
●ローンだけでなく維持費がかかる
●災害や事故に巻き込まれると大きな負債になり得る
●マンションの場合、自分の意志と関係なく建て替えしなくてはならないこともある
どちらがいいかは一概にいえず、人生観の違いで選ぶべきだという意見もあるでしょう。しかし、家はしっかり選んで買えば、長くお金を生み続けてくれるものなのです(その理由は、後で説明します)。
2、3回の見学で家の購入に踏み切る人も多いが・・・
家を購入する場合、よく考えて買わなくてはいけません。その理由は、住宅ローンがあるからです。
私は現在、マンションを50室ほど持っています。購入した回数としては5、6回になります。6回目にもなってくると、不動産の正しい買い方・選び方がわかってきます。
多くの人は、一生で1回か2回しか家を買わないのでわからなくても当然だと思いますが、何度も買っていると、3000万円、4000万円もするものを一発勝負で買うということが、いかに危険かがわかります。なぜなら、その支払いを以後約30年間は続けなくてはならないからです。
たとえば、遊び半分で付き合う彼氏なら、相手選びも簡単かもしれません。しかし、一生をともにする結婚相手となったら慎重になるでしょう。同じように家選びも、本当は同じように真剣に時間をかけて考えるべきなのです。
ところが、あまり考えずにいきなり家を買ってしまう人が非常に多いのです。結婚する相手を、2、3回デートして決める人は少ないと思いますが、家は2、3回見に行っただけで買ってしまう人がたくさんいます。
これは、家を購入する相手がプロの不動産業者だから、ということも大きいようです。彼らはとにかく買ってほしいわけですから、都合のいいことばかり言います。その口車に乗せられて、簡単に決めてしまうというわけです。美しいモデルルームにひかれて思わず……という人も多いでしょう。多くの人が長期のローンを組むことになるのですから、もっと慎重に考えて家を買うべきなのです。