夫の独立開業後に起きた悲劇
<事例>
山本さん(専業主婦):35歳
夫(自営業):35歳
長男:5歳
次男:3歳
月の手取り 40万円 ※サラリーマン時代
月間支出 30万円
預貯金 500万円
「夫が亡くなったんです。開業してこれからだっていうのに……」
ご主人を35歳という若さで失くしてしまった山本さん。サラリーマンから個人事業主に転身し、間もなく癌が見つかり急逝するという非常に悲しい出来事が起きました。
「悲しみに暮れることしかできなかったけれど、子どもたちのためにも前を向かないと」と山本さんは言います。
配偶者が亡くなった際に受け取れる遺族年金。山本さんの場合はどの程度の金額を受け取ることができるのでしょうか?
遺族年金は、配偶者やご家族が亡くなられたときに、 遺族に給付される年金です。 亡くなられた方の年金の加入状況などによって、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」のどちらか、または両方が給付されます。まずは遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件と年金額について確認しましょう。
遺族年金の受給要件と年金額
以下、日本年金機構「遺族年金ガイド(令和5年度版)」より引用
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、次のいずれかの要件に当てはまる場合、死亡した方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が受け取ることができます。
■受給要件
- 国民年金の被保険者である間に死亡したとき。
- 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき。
- 老齢基礎年金の受給権者であった方(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限る)が死亡したとき。
- 保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方が死亡したとき。
※令和8年3月末日までは、65歳未満の方が亡くなり、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がなければ受給できる特例があります。
■受給できる年金額
遺族基礎年金の年金額は、一律の額となります。また、子の人数に応じて加算されます。
・子のある配偶者が受け取るとき
年額79万5,000円 +(子の加算額)
・子が受け取るとき
年額79万5,000円 +(子の加算額)
(次の金額を子の数で割った額が、1人あたりの額となります)
年額795,000円 +(2人目以降の子の加算額)
1人目および2人目の子の加算額 …………各 22万8,700円
3人目以降の子の加算額 …………… 各 7万6,200円
※昭和31年4月1日以前に生まれた方 ‥‥ 年額79万2,600円
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、次のいずれかの要件に当てはまる場合、死亡した方によって生計を維持されていた「配偶者」、「子」、「父母」、「孫」または「祖父母」が受け取ることができます。
■受給要件
- 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき。
- 厚生年金保険の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で、初診日*から5年以内に死亡したとき。
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が、死亡したとき。老齢厚生年金の受給権者であった方(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限る) が死亡したとき。
- 保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が 25年以上ある方が死亡したとき。
※初診日とは、死亡の原因となった病気やけが(以下「傷病」といいます)について、初めて医師または歯科医師(以下「医師等」といいます)の診療を受けた日をいいます (同一傷病で転医があった場合でも、初めて医師等の診療を受けた日が初診日となります)。
■受給できる年金額
遺族厚生年金の年金額は、亡くなられた方の厚生年金の加入期間や報酬の額をもとに計算されます。
亡くなられた方の老齢厚生年金の 報酬比例部分の3/4 =(A+B)× 3/4
A(平成15年3月以前)…平均標準報酬月額×7.125/1,000×加入期間の月数
B(平成15年4月以降)…平均標準報酬額×5.481/1,000×加入期間の月数
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