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相続登記などの相続手続きでは「相続関係説明図」という書類が必要になることがあります。おそらく、多くの方は相続関係説明図という名称を聞いたことがあったとしても、内容や用途ついては詳しく知らないと思います。本連載は、司法書士法人みどり法務事務所が運営するコラム『スマそう−相続登記−』から一部編集してお届け。本稿では、相続手続きで必要となる「相続関係説明図」の概要や作成手順を解説します。

相続関係説明図を作るときの注意点

必要な情報を記載する

相続関係説明図に記載する住所などは、正確な記載が必要です。

 

住民票に「一丁目2番3号」と表記されているのであれば、その通りに記載しなければならず、「1-1-1」のように省略、漢数字をアラビア数字にしてはいけません。また氏名も戸籍通りの記載が必要なので、名前に旧字体が使われている場合は注意が必要です。

 

相続か遺産分割かを明確に記載する

相続財産に不動産が含まれている場合は、相続関係説明図にその不動産の相続内容を明確にする必要があります。

 

不動産を相続する相続人には「(相続)」と、遺産分割により不動産を相続しない相続人には「(分割)」と、相続人が相続放棄をしている場合は「(相続放棄)」と記載します。

 

例として、以下は法務二郎が相続放棄して、遺産分割により法務花子のみが不動産を相続した場合の記載です。

 
 

 

法定相続情報証一覧図との違い

相続関係説明図と似たものとして、「法定相続情報証一覧図」というものがあります。

 

これは、「法定相続情報証明制度」により法務局が発行してくれるもので、相続関係について法務局が認証を与えるため、法定相続情報証一覧図のみで相続手続きが可能で、原本還付での戸籍謄本等の提出も不要となります。

 

法定相続情報証一覧図が相続関係説明図と異なるのは以下の点です。

 

法務局の認証分が付されるため、記載された相続関係に証明力が付く

 

相続関係説明図はあくまで個人が作成するものなので、それ単体では公的な証明にはなりません。

 

記載内容が決まっている
 

法定相続情報証一覧図には戸籍の情報のみが記載され、相続関係説明図のように不動産の分割の有無は記載できません。

 

以上が、相続関係説明図の概要等です。

 

相続関係説明図があれば、相続関係が一目でわかるため遺産分割などがスムーズに進みます。特に、遺産に不動産がある場合は原本還付が受けられる利点が大きいです。

 

相続関係説明図は、記載内容自体は複雑ではないため作成は難しくはありませんが、その前提となる戸籍収集や相続人の調査の段階は、ケースによっては専門知識が必要になります。

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