(※写真はイメージです/PIXTA)

世界を見渡してみても、日本人の現金保有率(貯蓄率)の高さは顕著です。しかし、インフレ環境下の現在、タンス預金に置いておくことは「非情に不幸な運用手段」だと、東京海上アセットマネジメント株式会社の平山賢一チーフストラテジストはいいます。自らの大切な資産を守るため、インフレとどのように向き合っていけばよいのか、みていきましょう。

「積極運用部分」の考え方

そして3つ目の「積極運用部分」は、リスクを取って高いリターンを目指す資産です。

 

これも「安定運用」と同様に、「物価上昇を上回る運用」と読み替えることでこの資産の位置づけを明確にできます。

 

注意すべき点としては、インフレ率が急上昇している局面では、株式市場全体の動きを表す株式指数(インデックス)はインフレ率を下回る傾向があるということです。

 

また、「不動産はインフレに強い」という見方があるものの、不動産投資信託(REIT)については特に株式との相関が強く、常にインフレヘッジの手段たりえません。

 

そこでインフレ環境下においては、インフレに強い銘柄を選別し、そのような銘柄に分散投資することでリスク低減を図ることが有効と考えられます。

 

家計の金融資産について、「緊急出費対応部分」を確保し、「安定運用部分」、「積極運用部分」のウエイトを人生のステージに応じて調整する(安定運用部分を徐々に増やす)という基本的な考え方はインフレ環境下でもそうでなくても変わりません。

 

しかし、ディスインフレ(物価の上昇ペースが鈍化する状況)もしくはデフレが長く続き、資産形成において「物価に連動」あるいは「物価を上回る」運用という視点や「インフレに強い銘柄を選別する」という視点は、極めて重要にもかかわらず抜け落ちてしまっています。

 

デフレ環境下では、タンス預金にしておいても物価が下落するため、買うチカラ(購買力)が上昇します。物価が下落するのですから、金融資産の名目額が上昇しなくても、維持できているのであれば、より多くのモノやサービスを獲得できるようになるからです。

 

しかし、インフレ環境下では状況が異なります。ここで確認しておきたいことは、「金融資産の名目額が上昇しても、買うチカラが維持できなければ意味がない」ということです。表面上の金融資産の騰落にばかり目を奪われてはいけません。購買力を正確には表してはいないからです。

 

物価の代表である消費者物価指数と比較し、「物価に連動」あるいは「物価を上回る」運用を行うことがインフレ環境下では非常に重要となります。この機会に、保有されている金融資産がどのように配分されているかを見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

※当資料の閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください。ページに見当たらない場合は関連記事『高齢者に多い「タンス預金」が“非常に不幸な運用手段”といわれるこれだけの理由』をご覧ください。

 

平山 賢一

東京海上アセットマネジメント株式会社 参与

チーフストラテジスト

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

【ご留意事項】
・当資料は、東京海上アセットマネジメントが作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。お申込みに当たっては必ず投資信託説明書(交付目論見書)をご覧の上、ご自身でご判断ください。投資信託説明書(交付目論見書)は販売会社までご請求ください。
・当資料の内容は作成日時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載された図表等の内容は、将来の運用成果や市場環境の変動等を示唆・保証するものではありません。
・投資信託は、値動きのある証券等(外貨建資産に投資する場合には、この他に為替変動リスクもあります)に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではありません。
・投資信託は金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。委託会社の運用指図によって信託財産に生じた利益および損失は、全て投資家に帰属します。
・投資信託は、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
・投資信託は、預金および保険契約ではありません。また、預金保険や保険契約者保護機構の対象ではありません。
・登録金融機関から購入した投資信託は投資者保護基金の補償対象ではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録