本業の所得から、副業の不動産投資での赤字を差し引く
《不動産投資で節税》
節税効果★★★★☆ 節税難易度★★★☆☆
不動産投資をされている先生は少なくないでしょう。不動産投資も、場合によっては節税につながります。その節税の仕組みはいたってシンプルです。ケース別に示します。
【ケース1】診療所・病院経営
事業所得(診療所・病院経営・他の医療機関等からの給与)
+△不動産所得(赤字)
【ケース2】医療法人経営
給与所得(医療法人理事給与・他の医療機関等からの給与)
+△不動産所得(赤字)
【ケース3】病院勤務
給与所得(医療機関等からの給与・他の医療機関等からの給与)
+△不動産所得(赤字)
以上、どのケースでも本業の所得から副業である不動産所得のマイナスを差し引き(損益通算)します。いかがですか。こんなに簡単なのです。
損益通算とは、「事業所得(診療所・病院経営)」「不動産所得(不動産投資による所得)」「譲渡所得(※1)」「山林所得(※2)」が赤字である場合には、ほかの所得から控除できるというものです。
※1 株式の譲渡損失や土地・建物の譲渡損失(一部例外を除く)は損益通算できません。
※2 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生じる所得です。
一般に所得の高いドクターは節税効果も大きい
では、不動産所得はどう計算すればいいかです。例を示します。
【例】分譲マンションを3000万円で購入
家賃収入10万円(月額)×12か月=120万円
経 費
減価償却費 60万円
借入金利息 90万円
管理費 10万円
その他経費 20万円
経費合計180万円
収入120万円 − 経費180万円 = 赤字△60万円
このケースでは収支はゼロとなりますが、減価償却費を計上できるので不動産所得がマイナスになります。すると・・・・・・。
●診療所経営による課税所得が2,000万円の先生の節税額は、所得税24万円+住民税6万円となります。
●勤務医給与による課税所得が1,000万円の先生の節税額は、所得税約20万円+住民税6万円となります。
先生方の所得は高いケースが多いため、不動産所得の赤字額のおよそ30%〜50%もの節税効果が生まれることになります。
将来の不動産価値が読みにくい時代ですが、このような節税も考慮して考えれば、いまは比較的安い金額で不動産を購入できるチャンスといえるかもしれません。
Point
この対策のポイントは、不動産所得が減価償却等で赤字であることです。