治療が終わっても、支払いが済んでいなければ対象外
《医療費控除の申告》
節税効果★★☆☆☆ 節税難易度★☆☆☆☆
ご本人や生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費があるときは、つぎの算式で計算した金額を医療費控除として所得から差し引くことができます。
●医療費控除の計算方法
その年中に支払った医療費−保険金等で補てんされる金額−10万円または総所得金額等の5%のどちらか少ない金額=医療費控除額(最高200万円)
①1月1日から12月31日までに実際に支払った金額に限って控除の対象となりますので、治療が終わっても支払いがすんでいなければ対象になりません。
②保険金等で補てんされる金額とは、健康保険などから支払いを受ける療養費、出産育児一時金、医療費の補てんを目的として支払いを受ける損害賠償金や生命保険契約などの医療保険金、入院給付金などです。
※補てんされる金額は、その給付の目的の医療費を限度とするので、ほかの医療費からは差し引かなくてもかまいません。
●対象となる医療費、ならない医療費
対象となる医療費は、症状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。
①医師・歯科医師による診療や治療の対価
②治療費または療養に必要な医薬品の購入の対価
③病院、診療所、介護老人保健施設等へ収容されるための人的役務提供の対価
④あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術の対価
⑤助産師による分娩介助の対価
⑥保健師や看護師、准看護師等による療養上の世話の対価
⑦介護保険制度のもとで提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
⑧通院費、医師の送迎費、医療用器具等の購入費用で医師等による診療、治療等に直接必要なもの
⑨骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植の斡旋にかかる患者負担金
⑩日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植の斡旋にかかる患者負担金
⑪特定保健指導のうち一定の基準に該当する者が支払う自己負担金
さて、普段、診断書や処方箋、そして治療にかかる領収書を出される側のお医者さん!どういうものが医療費控除の対象になるかご存じですか?下記のリストをご確認ください。
家政婦に支払った入院の付き添い費用も対象
【対象になるもの】
○ 病院などへの通院費
○ 健康診断の結果、重大な疾病が発見されかつ引き続き治療を受ける場合の健康診断費用
○ 医師が発行した「おむつ使用証明書」がある場合のおむつ代
○ 風邪をひいた場合の風邪薬代
○ 治療のためのあん摩、マッサージ代
○ 家政婦さんに支払う付き添い費用
○ 歯の矯正費用(必要と認められる場合)
○ 治療上必要な差額ベット代
○ 医師の指導による禁煙治療
○ 出産にかかる検査から分娩までに医師や病院に支払う費用(健康診断を含む)
○ レーシック手術
【対象にならないもの】
× 自家用車で通院する場合のガソリン代
× 健康診断費用
× おむつ代
× ビタミン剤等の病気予防の医薬品代
× 疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないもの
× 家族や親族に支払う付き添い費用
× 見た目をよくする目的の歯の矯正
× 本人や家族の都合による差額ベット代
× 予防接種費用
× 里帰り費用、妊娠判定薬、入院のための身の回り品購入費
※通院費用は医療費控除の対象になりますが、領収書のないものが多いと思いますのでメモを取るなどして記録し、実際にかかった費用について説明できるようにしておきましょう。
※医師や看護師さんに対するお礼は診療などの対価ではありませんので控除の対象になりません。
Point
家族が使った医療費の領収書を、なくさない、もらい忘れないよう注意しましょう。