診療所の新築で「住宅ローン減税」の適用を受ける方法

今回は、建物の新築や改築を促進するための「住宅ローン減税」について、医師がこの制度を活用する際のポイントをお伝えします。※本連載は、なごみグループ(税理士法人 和と社会保険労務士法人 和の合同事務所)の著書、『【増補改訂版】開業医・医療法人……すべてのドクターのための節税対策パーフェクト・マニュアル』(すばる舎リンケージ)の中から一部を抜粋し、すべてのドクターの節税に役立つテクニックをご紹介します。

年間所得が3000万円以上なら対象外

《住宅ローン控除》

節税効果★★★★☆ 節税難易度★★☆☆☆

 

住宅ローン控除、正確には住宅借入金等特別控除とは、居住者が住宅ローン等を利用してマイホームを新築、取得、または増改築等をし、平成31年6月30日までに住んだ場合で、一定の条件に当てはまれば、下記の計算式で算出した金額を各年分の所得税から控除することになるものです。

 

適用される用件は以下のとおりです(すべてに該当する必要があります)。

 

■新築・取得の場合

 

①新築または取得の日から6か月以内に居住して、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて居住していること(忙しいため診療所の近くと家族が住んでいる自宅等など、2つ以上所有する場合には、主として居住の用に利用している住宅に限られます)。

 

②この特別控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下であること。

※医師の方々は所得が高いので要注意

 

③新築または取得した住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供するものであること。

※診療所と自宅を併用する場合には工夫しましょう!

 

④住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローンであること。

 

⑤居住した年、その前後2年ずつの5年間に居住用財産を譲渡した場合の特例などの適用を受けていないこと。

条件に合致すれば、リフォーム工事も対象に

■増改築等をした場合

 

①自分が所有し、居住している家屋についての増改築等であること。

 

②つぎのいずれかの工事に該当するものであること。

・増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事

・マンションの場合、その人が区分所有する部分の床、階段または壁の半分以上について行なう一定の修繕・模様替えの工事

・家屋(マンションの場合、その人が区分所有する部分に限ります)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行なう修繕・模様替えの工事

・建築基準法施行令の構造強度等に関する規定または地震に対する安全性にかかる基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事

・一定のバリアフリー改修工事

・一定の省エネ改修工事

 

③ 増改築等の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて居住していること。

 

④その工事費用の額が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。

 

⑤この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。

 

⑥増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供するものであること。

 

⑦増改築等のための一定の借入金(返済期間が10年以上のもの)があること。

 

⑧居住した年、その前後2年ずつの5年間に居住用財産を譲渡した場合の特例などの適用を受けていないこと。

 

住宅ローン控除額の計算式

各年の控除額=年末残高等×1%

控除期間 10年

控除限度額 40万円

 

※認定長期優良住宅を取得した場合には、さらに控除額が多くなります。

※認定長期優良住宅=耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の一定の措置が講じられている住宅で、長期優良住宅 建築等計画の認定通知書において認定された住宅です。

※住宅ローン控除を受ける場合には、必ず納税地(原則として住所地)の所轄税務署に確定申告が必要です。

 

Point

医院と自宅併用の検討もお忘れなく。 住宅ローン選びも税理士を利用しましょう。

なごみグループは、税理士法人 和と社会保険労務士法人 和の合同事務所。

《税理士法人 和》
税理士法人 和(なごみ)は、平成4年創業、本社は大阪市中央区。東京都千代田区に支社。クライアント数、約400件。医業経営コンサルタント協会会員、TKC医業・会計システム研究会会員、TKC全国会資産対策研究会会員、日本M&Aセンター理事会員、JPBM医業経営部会会員、一般社団法人メディカルスタディ協会監事。
地区医師会の顧問や医療機関へのアドバイス等の医業経営コンサルティングと、出資持分のない医療法人への移行などの事業・財産承継を中心とした資産税コンサルティングに強みを持ったサービスを提供している。
厚生労働省委託事業や金融機関等でのセミナー講演は年間40回以上にのぼる。
主な著書に『ドクターのための医院の財産承継&相続パーフェクト・マニュアル』(すばる舎リンケージ)ほか多数。

《社会保険労務士法人 和》
社会保険労務士法人 和(なごみ)は、昭和63年創業、平成21年法人化。
本社は大阪市中央区、大阪府摂津市に北摂オフィス。労働保険事務組合一般社団法人和併設。 日本人事労務コンサルタント特別会員、日本報連相センター法人会員。
病院、クリニックをはじめ多数の企業に人事労務サービスを展開。
医院開業時には採用支援・労務管理・給与計算等をまとめた「開業支援パッケージ」を提供するなど、ドクターの開業に関する不安を解消するツールを提供している。なかでもスタッフに院内ルールを定着させるための「就業ハンドブック」は、イラストや図式を挿入し、口語調で親しみやすいと定評がある。
平成27年11月プライバシーマーク取得。

写真は税理士法人 和の大阪事務所代表社員、岡本泰彦氏。

著者紹介

連載ドクターのための節税対策――不動産投資・控除申請・会社設立の基礎知識

本連載は、2016年7月21日刊行の書籍『増補改訂版】開業医・医療法人……すべてのドクターのための節税対策パーフェクト・マニュアル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

【増補改訂版】開業医・医療法人……すべてのドクターのための節税対策パーフェクト・マニュアル

【増補改訂版】開業医・医療法人……すべてのドクターのための節税対策パーフェクト・マニュアル

税理士法人 和、社会保険労務士法人 和

すばる舎リンケージ

2025年には団塊の世代すべてが75歳を迎え超高齢化社会がスタートします。 厚生労働省はその2025年に向けて医療・介護のあるべき姿(ロードマップ)を示しており、病院は病床の機能分化を進め、診療所は主治医機能を強化してい…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧