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無限責任社員と有限責任社員からなる合資会社でも、株式会社と同じように事業承継できるのでしょうか?事業承継の方法や注意点を見ていきましょう。事前にどのような準備をしておけば良いのか確認することで、事業承継対策に役立てられるはずです。

3. 相続による事業承継の注意点

 

無限責任社員が死亡すると、相続によって事業承継する可能性があります。何も対策していない場合、相続人は会社の持分に対する多額の相続税を負担しなければいけません。負担を軽減するためにも、事業承継に向けた対策が必要です。

 

3-1. 唯一の無限責任社員が死亡すると合同会社に

 

合資会社に在籍している無限責任社員が1人のみで、その無限責任社員が死亡した場合、合資会社の条件を満たせません。このような場合、『合同会社』となる定款の変更をしたとみなすと、会社法で定められています

 

合同会社は有限責任社員のみで構成されている持分会社です。無限責任社員が死亡により退職した場合でも、合同会社へ変更されるため、会社を解散することなく事業を継続できます。

 

3-2. 個人負債や相続税が遺族の負担に

 

無限責任社員の遺族が持分を相続し事業承継する場合、持分は相続財産のため相続税の課税対象です。持分の評価は、非上場会社の株式の評価方法に準じて行われます。

 

小規模な会社であっても、持分が数千万円を超えるケースは少なくありません。そのため相続人には、相続税の負担が重くのしかかります。加えて持分の払い戻しには制限があるため、相続しても自由に現金化できません

 

手元の現金は増えないにもかかわらず、負担だけが増える状態です。また事業承継せず持分払戻請求権を相続した場合、会社が保有する全ての資産より多い負債があると、多額の負債も引き継ぎます。

 

3-3. 生前に対策が必要

 

スムーズに事業承継を実施するには、無限責任社員の生前に対策を進めておかなければいけません。例えば相続人やその他の後継者が持分を相続し、無限責任社員となるには、その旨を定款へ記載する必要があります。

 

また万が一社員の誰かが死亡したとしても、合資会社の条件を満たし続けられるよう、無限責任社員と有限責任社員を各2名以上とすることも有効です。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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