企業型DCの注意点
このように、企業型DCは税制優遇のメリットを受けられる有益な制度ですが、以下の点に注意が必要です。
【企業型DCの注意点】
1. 運営コストがかかる
2. 60歳まで取り崩しができない
3. 従業員に対する投資教育が必要になる
◆注意点1|運営コストがかかる
第一に、運営管理手数料を会社が負担しなければならないということです。
また、従業員の入社・退職、掛金変更等の事務負担が生じます。
ただし、証券会社によっては、これらの事務負担をサポートしてくれるところもあります。
◆注意点2|60歳までお金を受け取れない
第二に、早期リタイヤや転職により掛金の拠出がストップした場合でも、個人は60歳にならなければお金を受け取ることができないということです。
また、転職の場合、以下のいずれかをしてもらうよう指示しなければなりません。
【転職の場合に個人がやるべきこと】
・転職先に企業型DCの制度がある場合:6カ月以内に転職先の制度に移管する
・転職先に企業型DCの制度がない場合:個人型確定拠出年金(iDeCo)に切り替える
もしも個人が6ヵ月以内にこれらの手続きを行わなかったら、自動的に「国民年金基金連合会」へと移管され、その後は運用がストップしてしまいます。しかも、移管時に手数料合計4,348円がかかり、その後も毎月52円の手数料(年間合計624円)が取られてしまうのです。
◆注意点3|従業員に対する投資教育が必要になる
第三に、従業員に対する投資教育が必要になります。
企業型DCは淡々と毎月一定額を払い込んでいくしくみです。これにより自動的に「長期・分散・積立」が行われ、リスクが分散され、着実にお金を増やしていける可能性が高くなります。しかし、そのイメージだけでも掴んでいないと、短期的な騰落のたびに一喜一憂してしまうことになります。
この点については、多くの証券会社が投資教育の普及に力を入れており、講師を派遣するサービス等を行っているので、それを利用することがおすすめです。
このように、企業型DCは、「第1段階|掛金拠出段階」「第2段階|運用段階」「第3段階|積み立てられたお金を受け取る段階」のすべての段階で税制優遇を受けることにより、会社のメンバーが効率よく老後の資金を準備するのに役立つ方法です。
運営・維持管理、投資教育について、証券会社がサポートしてくれることもあるので、中小企業が福利厚生を充実させる手段として、検討の余地があるといえます。
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