(※画像はイメージです/PIXTA)

今後、高齢化と少子化が進み、年金だけでは老後資金を賄えなくなっていくことが予想されます。そんななか、企業が比較的簡単に導入でき、社長、従業員ともに「3重の税制メリット」を受けながら老後の資金を積み立てられる制度があります。「企業型DC」というものです。本記事では、そのメリット、注意点についてお伝えします。

◆第3段階|積み立てられたお金を受け取る段階

第三に、積み立てられたお金を受け取る段階です。

 

受け取り方は「年金」と「一時金」から選ぶことができ、いずれも他の所得に比べて税負担が軽くなっています。

 

「年金」で受け取る場合は「雑所得」と扱われますが「公的年金等控除」を受けることができます。

 

「一時金」で受け取る場合は「退職所得」として扱われ、積立の期間に応じて「退職所得控除」を受けることができます。

 

このように、企業型DCは、「第1段階|掛金拠出段階」「第2段階|運用段階」「第3段階|積み立てられたお金を受け取る段階」のそれぞれで税制優遇を受けられるのです。

掛金の額

掛金の額は会社が役位等に応じて定めることができます。ただし、以下の通り上限額が設定されています。

 

【企業型DCの掛金の上限】

・他の企業年金がない場合:月5.5万円

・他の企業年金がある場合:月2.75万円

 

これよりも多くの掛金を企業型DCで運用したい場合は、「マッチング拠出」の制度があります。これは、個人が掛金をプラスして払い込むことができる制度です。

 

「マッチング拠出」を選ぶ場合、個人が支払った掛金の額は所得税・住民税の計算上「所得控除」の対象となります。ただし、自分の給与のから支払うことになるので、その分にかかる社会保険料の支払いは免れません。

年金の受け取り方法

受け取り方法は、上述のように「年金」「一時金」のどちらも選べます。

 

「年金」を選ぶ場合、「確定年金」「終身年金」「分割取崩年金」の3種類があります。

 

【企業型DCの年金の受け取り方の種類】

1. 確定年金:一定の期間内に一定の金額を受け取る(5・10・15・20年から選択)

2. 終身年金:一生涯にわたり一定の金額を受け取る(「保証期間」を5・10・15・20年から選ぶ)

3. 分割取崩年金:一定の期間で運用を継続しながら積立金を取り崩して受け取る(5・10・15・20年から選択)

 

「確定年金」と「終身年金」の違いは、金額の大きさと、本人が亡くなった場合の扱いです。

 

「確定年金」は、金額が「終身年金」より大きく、また、その期間中に本人が亡くなっても遺族が年金を受け取ることができます。

 

これに対し「終身年金」は、金額が「確定年金」より少なく、また、本人が亡くなった後は原則として遺族が年金を受け取ることはできません。ただし、「保証期間」内であれば遺族が代わりに年金を受け取ることができます。

 

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