70代で働くのは当たり前、前向きに働く人も多い
日本人の平均寿命が50歳を超えたのは、第二次世界大戦後の1947年。厚生年金の支給開始年齢も、1944年の制度開始当初は男女とも55歳でした。
「ずいぶん若い年齢で年金をもらえたんだ、羨ましい」……そう思うかもしれませんが、当時の日本人の平均寿命は50代前半。決して早くはなかったのです。
一方で、2023年の男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.14歳(厚生労働省『令和5年簡易生命表の概況』より)。すさまじいスピードで長寿化が進んでいます。
平均寿命どころか90代まで生きることもめずらしくありません。前述の厚生労働省のデータによれば、90歳まで生存する人の割合は男性で26.0%、女性では50.1%。男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きる計算です。
今や「65歳の年金受給まで働く」というのは当たり前。総務省「労働力調査」によれば、2022年時点の就業率は65歳~69歳で50.8%、70~74歳でも33.5%と、多くの人が年金受給年齢以降も働いていることがわかります。
ただ、老後も働くと聞く理由はなにも生活が厳しいからだけではありません。60歳以上を対象にした内閣府「高齢者の経済生活に関する調査」ではこんなデータがあります。
「仕事をしている理由」として、最も割合が多いのは「収入がほしいから(45.4%)」。そして「働くのは身体によいから、老化を防ぐから(23.5%)」、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから(21.9%)」、「仕事を通じて友人や仲間を得ることができるから(4.4%)」……と続きます。
意外かもしれませんが、健康面、面白さややりがい、人間関係(社会とのつながり)などにメリットを感じる、ポジティブな理由が多くなっています。
もちろん経済的な理由で働かざるを得ない人も多いでしょう。一方で、早く仕事を辞めることで老け込んだり、社会とのつながりを失ってしまったりすることを避けるために、前向きに働く人もいるわけです。
しかし、年金受給者になった後も前向きに働くことを決意したとしても、知っておくべき注意点があります。加納さん(仮名)の事例で見ていきましょう。
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