米国株投資…「バリューとグロース、どちらを買うべき?」
――今後米国株式に投資する際には、バリュー株がよいのか、それともグロース株がよいのかといった質問が個人の投資家から寄せられます。そもそも、バリュー株とグロース株の違いを聞かせてもらえますか?
穂谷「[図表1]をご覧ください。これは、いまの株価が割高なのか、それとも割安なのかを示しています。
株価を簡単に分解すると、利益×倍率になります。たとえば、1株当たり利益が5円で株価が100円だとすれば、20倍の倍率で買われていることになります。この倍率をバリュエーションと呼んでいます。
仮に1株当たり利益が同じで株価が50円だとすれば、倍率は10倍。一方で株価が150円だとすれば倍率は30倍です。相対的に見たときに倍率が低い株をバリュー、高い株はグロースと呼んでいます」
――利益が同じなのに株価が違うのは、なぜなのですか?
穂谷「その会社の成長期待が違うからです。期待が高ければ割高に、逆に低ければ割安になる傾向があります。ただ、それぞれ株価が上昇しやすい時期は異なり、たとえば2022年10-12月期の米国株式は、バリュー株が有利な状況でした」
――なぜ、バリュー株が有利だったのでしょうか?
穂谷「[図表2]をご覧ください。高まるインフレなどからエネルギーや素材など、コモディティ価格の上昇の恩恵を受けた業種が株価を押し上げたのが理由です。
こうした業種に属する企業はバリューを代表するものですが、すでにコモディティ価格が下落するなかで、いまの状況が長続きするとは思えません」
――今後はグロース株が有利な相場になりそうなのでしょうか。
穂谷「[図表3]をご覧ください。グロース株とバリュー株はシーソーのように有利な状況が行ったり来たりと変わります。バリュー株に一定以上偏ると、グロース株寄りの相場に反転する傾向があります。ちょうど、2023年はそのような状況にありますね。
また、グロース相場に比べるとバリュー相場は期間が短いのも特徴です」