(※写真はイメージです/PIXTA)

ビジネスメールでよい文章を考えることは大切ですが、それに時間を費やしすぎると非効率的になってしまいます。メールにかける処理時間を減らすには、どうすればよいのでしょうか? 平野友朗氏の著書『コミュニケーションに失敗しないための ビジネスメールの書き方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、効率を上げるための基本事項を紹介します。

メールに費やす時間を減らしたいです

メールに費やしている時間は、読んだり、書いたりしている時間だけではありません。メールを検索したり、消したり、整理したり、テンプレートを作ったり、そのような時間も全て処理時間に含まれます。

 

メールの処理時間を減らしたいなら、まずは自分がどのくらいの時間をかけてメールを使っているのかを測定しましょう。

 

一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った「ビジネスメール実態調査2022」によると、次のような結果が出ています。

 

●1日に送信しているメールは、平均16.27通

●1日に受信しているメールは、平均66.87通

●メールを1通読むのにかかる平均時間は、1分24秒

●メールを1通書くのにかかる平均時間は、6分5秒

 

単純に、送受信の通数と、読み書きにかかる時間を計算すると、1日のメール処理にかかる平均時間は3時間12分36秒となります。メールと向き合いながらアイデアを出したり、アドバイスを考えたり、指示を出したりして仕事を進めていると考えても、膨大な時間をメールに費やしているといえます。

 

メールの処理時間を減らそうと一口で言っても、どこから手をつけていいのか、わからないかもしれません。そんなとき、まず考えていただきたいのは次の4つのポイントです。

 

メールの受信通数を減らせないか

メールを読む時間を減らせないか

メールの送信通数を減らせないか

メールを書く時間を減らせないか

 

メールの通数を調べて、どのようなやりとりが発生していたのか、その内容を確認します。無駄なメールを送っているかもしれません。相手が読みやすいメール、処理しやすいメールを書けていれば、時間短縮ができたものもあるでしょう。

 

自分のメールをたまに見返し、①〜④のいずれかできることはなかったかを振り返るだけでも、時間短縮に一歩近づけます。

 

④のメールの作成時間を課題にあげる人は多いですが、これは「考える時間」「入力する時間」の2つの削減が必要です。考える時間については、ビジネスメールに関する書籍をたくさん読んで、どう書けばいいかを学ぶことが解決策の1つです。入力する時間については、単語登録やテンプレートを活用することでも解決できます。

 

仮に、1日12通のメールを書いている人が、1通につき10秒削減できたとしましょう。1日でたったの2分だと思うかもしれませんが、1年に換算すると1日の営業時間にも匹敵します。だからこそ、1通数秒でも減らすように取り組んでいくべきなのです。

よい文章を考えるあまり、時間がかかってしまいます

「よい文章を考える」というのは、あくまでもプラスアルファの部分です。優先順位はそれほど高くありません。メールが合格かどうかを決めるのは、次の2つです。

 

①伝わる

②不快感がない

 

伝われば相手は動いてくれます。そして、不快感がなければ、仕事はこれからも円滑に進んでいくでしょう。このようなメールが書けるようになった人は、次は何を意識するべきか。それは、気遣いではなく、スピードです。

 

スピード化

 

気遣いから取り組むと時間がかかってしまいます。全体的な生産性も落ち、処理できるメールの量が減ったり、処理に時間がかかり残業が増えたりします。伝わる、不快感のないメールを速く書けるようになって、余裕が出てきたら、次の段階に進みます。

 

語彙力を磨く

気遣いを盛り込む

 

この2つは同時でもいいのですが、最低限のことができてからです。伝わるメールが書けないのに、語彙力や気遣いの力を磨いても空振りに終わります。

 

言葉を磨いても伝わらない経験をすると「語彙力が足りない」と誤った原因を見つけて取り組んでしまうのです。メールがうまい人は、文章力や語彙力があるだけではなく、何をどう伝えたら伝わるのかのポイントがわかっているのです。そのうえで、文章力や語彙力を生かしています。

 

伝わるメールを書く人は、抜けもれなく情報をまとめて、構成する力があります。そのメールを読めば、文章がうまいと感じるよりも、わかりやすいと感じることのほうが多いでしょう。

 

①〜③を意識して改善に取り組めていれば、1日10通、20通書いても、どんどん対応できているはずです。そこまで余裕が生まれたら、語彙を増やして、読みやすいメールへと進化させます。気遣いを盛り込んで、円滑なコミュニケーションへと工夫は続きます。

 

そして、①〜⑤のブラッシュアップを続けましょう。メールがうまいと言われるような人たちも、言い回しを考え、伝わるメールを模索しています。メールのスキルアップにゴールはありません。

 

 

平野 友朗

一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事

株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役

 

1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て、独立。2004年、アイ・コミュニケーションを設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会を設立。ビジネスメール教育の専門家。メールのスキル向上指導、組織のメールのルール策定、メールコミュニケーションの効率化や時間短縮による業務改善など、支援実績は多岐にわたる。

著書は『そのまま使える! ビジネスメール文例大全』(ナツメ社)、『仕事ができる人は実践している! ビジネスメール最速時短術』(日経BP)など、本書を含め35冊。

※本連載は、平野友朗氏の著書『コミュニケーションに失敗しないための ビジネスメールの書き方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

コミュニケーションに失敗しないための ビジネスメールの書き方100の法則

コミュニケーションに失敗しないための ビジネスメールの書き方100の法則

平野 友朗

日本能率協会マネジメントセンター

在宅勤務やテレワークで、「コミュニケーションのあり方」と「メールの量」が変わってきました。今までは口頭で済んでいた報告・連絡・相談の多くが、メールに切り替わったため、「大量のメールが来るようになった」「部下の仕…

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