「ブランディング」と「広告」の違い
近年、BtoC・BtoB問わず、企業がブランディング投資に力を入れるようになっています。実際、ブランディングと広告の両方に投資した企業は、10年後に広告にのみ投資した企業の6倍以上の企業価値を上げています。
まずは、ブランディングと広告の違いについて確認しておきましょう。広告は一時的な認知度を高めることができますが、その効果は短期的なものが多く、広告を打ち切ると効果も薄れてしまいます。いわゆる、物を売るために都度消費してゆく“コスト(出費)”です。
一方、ブランディングは、ブランドの価値やストーリーを伝え、顧客との関係性を構築することを目的とした投資であり、長期的な視点で見た場合、企業価値を高めることができます。つまり、値上げやリピート率を向上させることが可能な「価値」を創るための“インベスト(投資)”というわけです。
「ブランディング投資」による効果
ブランディングが「企業価値」を高めるワケ
長期的な視点でみた場合、ブランディング投資が企業価値を高める理由はいくつかあります。まずは、ブランディングにより、企業のブランドイメージが向上し、顧客の信頼感を高めることができます。顧客からの支持を得ることで、企業の将来的な成長につながります。
また、ブランディング投資には、将来自分たちの会社がどうありたいかといった視野を持ち、企業のビジョンや理念を伝えることも含みます。これにより、企業の将来的な方向性に共感する顧客が増え、顧客満足度や顧客ロイヤリティが向上するという好循環が生まれます。よくいわれる、企業の「MVV(Mission,Vision,Value)」を策定・浸透させることがこれに該当します。
さらに、ブランディングにより企業の差別化・差異化が進み、顧客にとって魅力的な存在、唯一無二の存在となることができ、市場内における確固たるポジションを形成することが可能となります。
一方、広告投資はマーケティング4Pの内のプロモーション領域であり、一過性の効果が多いことが特徴です。広告を打ち切ると、認知度が急速に下がり、再び広告を打つ必要が生じる場合があります。そのため、広告投資は短期的な戦略としては有効であるものの、長期的な戦略としては限界があります。
時間はかかるが…ブランディングが「企業の成功」に繋がるワケ
ブランディング投資が将来的な成功に繋がる理由の1つは、顧客満足度や顧客ロイヤリティが向上することにより、顧客の長期的な利用を促進し、顧客生涯価値(LTV)が向上するからです。企業は、LTVを高めることにより、将来的な売上高や利益を増やすことができます。
さらに、ブランディング投資により、企業の成長戦略が明確化され、将来的な成長の可能性を高めることができます。先にも述べましたが、これにより企業は将来的な競争力を強化することができ、市場においてより強いポジションを築くことができるわけです。
一方で、ブランディング投資は、即時的な効果が見えにくいため、投資に踏み切ることが難しい企業もあります。しかし、長期的な視点で見た場合ブランディング投資により企業価値を高め、将来的な成功に繋がることが期待できるのですが、この経営判断は、非常にセンシティブな領域ではあります。
この領域に踏み込むため、実際にブランディング投資で成功している国内企業を理解することからスタートしてはいかがでしょうか?
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