(※写真はイメージです/PIXTA)

都会から田舎へ移住する際、必要となる金額はどのくらいなのでしょうか? 「まとまったお金がないから不安」と躊躇する人もいるかもしれませんが、「貯蓄ゼロ」でもやり方次第で地方移住を始めることができると、地方移住や2拠点・多拠点生活に関する情報発信メディアを運営する合同会社Stoneintechの中嶋遼太代表はいいます。一体どんな方法でしょうか? みていきます。

いくら貯金があれば移住できる?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2人以上の世帯で、平均の1ヵ月の支出は約28万円というデータがあるので、ざっくり200万円ほど、単身世帯でも150万円ほどの貯金があると安心です。また、車を移住後に購入する場合は+100万円(自動車のメンテナンス費、ガソリン代、駐車場代)を多く貯金しておきます。

 

「そんなに貯金できたら苦労しないよ!」と思われる方も多いと思います。そんな方へ次に貯金ゼロでも可能な地方移住の方法をご紹介します。

「貯金ゼロ」でも可能な地方移住の方法

①住居費が抑えられるエリアに絞る

空き家バンクで住居費ゼロ住みたいエリアを比較的広範囲に設定し、全国の空き家情報を調べ売り出し価格0円の物件を探します。たとえば、下の4DKの物件は10万円で売り出されていました。このような物件は地方にたくさん眠っています。

 

[画像2]4DKで10万円の物件情報

 

・自治体の空き家バンク

・アットホーム 空き家バンク

・LIFULLHOMES 空き家バンク

 

~東京都から長野県上田市へ移住した方の体験談~

かなり古いですが、タダで使ってよい空き家があったので活用させていただきました。家賃がないのは助かります。週末はコツコツと楽しみながらDIYで家を直してます(笑)。

 

移住支援制度で住居費ゼロ水準に空き家バンクなどを活用して、住まいの取得費用を限りなくゼロとし、自治体毎に提供している移住支援制度の「空き家リフォーム支援」や「空き家取得支援」といった制度を活用することで、空き家の取得費用および、リフォーム費用の自己負担分をゼロの水準にします。

 

全額を支援している自治体は少数ですが、自己負担分の3分の2を補助金で支援する自治体は多数あります。

 

~札幌市から南幌町へ移住されたご夫婦の体験談~

最大200万円が助成される南幌町の「住宅建築費助成金」を利用しました。2区画分の土地代は半額助成され、コスト面でも意識が前向きになれました。建物への費用に余力を生み出すことができ、思い描いていたようなデザインにしていただけたので非常に助かりました。

 

②実家に戻る

コストを抑えてとにかく移住したい方にとって、最も安全・安心に費用を抑えることができる選択肢です。住居費は実家に住むことでゼロなので、引っ越し費用と自宅の家財等の処分費用のみで済みます。仕事は、リモートや実家から通える距離で探す必要がありますが、移住前の準備期間としてもよいかもしれません。

 

~東京都から静岡県浜松市へ移住された方の体験談~

「不用品回収やその他諸々で50万円。掃除にも2週間ほどかかりましたが、生まれ育った土地で好きなことを仕事にしながらの生活にとても満足しています」

 

③住み込みの求人を活用する

いわゆる「リゾートバイト」と呼ばれるような仕事が多く、激務の仕事も多いといった口コミも聞くので理想の移住ライフが送れるかはわかりません。しかし、地方での住み込み仕事は地元の方との出会いがあり人脈を増やせる点や、家賃がゼロ~格安であることが多いため、その後の移住がスムーズでしょう。住み込み求人で募集されている職種は限られています。若い方であれば飛び込んでみるのもアリかもしれません。

 

・旅館・ホテル

・ゲストハウス

・農業

・スキー場

・牧場

・期間工

・マンション管理

 

④地域おこし協力隊か就農支援制度を活用

ここでは、地域おこし協力隊に絞って解説しますが、就農に関する制度も農業をするという目的が異なる点以外は似たような制度だと思っていただいていいです。

 

地域おこし協力隊の給料は一般の会社の給料とは少し異なり、地域おこし協力隊には国から活動費というものが年480万円(年によって多少の変動あり)支給されます。報酬はその活動費のなかに含まれています。

 

また、活動費480万円は好きに使えるのではなく、200万円が活動費、280万円が報酬の上限とそれぞれ決まっています。そのため、協力隊の給料は最大280万円です。給料の額は自治体の裁量によって異なるので確認が必要です。

 

⑤2段階移住で段階的に地方移住

「2段階移住」とは、最初は地方のある程度都会的な利便性を残した環境で暮らし、その後より田舎の地方へ移住するという考え方です。段階を踏んで移住するため、「2段階移住」と呼んでいます。

 

実は、自治体側もミスマッチを防ぐ意味で積極的に取り組んでいます。地方の中核都市で仕事探し、前職と同水準のお金を稼ぎ、節約することで田舎への移住を叶える現実的な方法です。

 

~大阪府→愛媛県松山市→愛媛県東温市へ移住した岡さんの体験談~

奥様の大病で移住を考え始めた岡さん。しかし、「地方で仕事があるか不安だったのでまずは企業も集まる松山市内で仕事を探し、賃貸物件に住み始めました」。その後は、愛媛県への永住を決めお隣のまち東温市に新居を新築されました。

 

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