離職率が高い会社に共通する「5つの特徴」
1.ルールが整備されていない
離職の原因、そしてストレスの原因の代表例である、「人間関係」、「コミュニケーションの齟齬」の根本原因はなんでしょうか。それは、組織内のルールが整備されていないことが考えられます。
ルールがない、もしくは不明確な環境下では、各々、自身の判断(価値観・基準・ルール)で仕事をすることになります。上司と部下、また同僚含め、過去から現在まで過ごしてきた環境や経験は人それぞれ異なるため、1人1人が自分の当たり前の基準で事象を捉えると双方での認識のズレが発生します。
この認識のズレを解消しようとコミュニケーションを図るのですが、ここで行われるコミュニケーションは、双方の価値観・ルールのぶつけ合いです。このような事象が毎日続くことを想像してみてください。人間関係は良好になるでしょうか。
このような事象を発生させないためにも認識のズレが発生する可能性があるところにルールを設定する必要があります。身近なところで考えれば、道路に信号がなぜあるのか考えてみてください。社内のルールを整備するということは、離職率を軽減させるポイントの1つです。
2.指示命令系統と役割の明確化ができていない
他方面からの指示。直属の上司のさらに上からの指示。トップセールスマンからのお願い。 これらが日常茶飯事起きると、当事者は、なにを優先し、誰の指示を聞けばいいのか判断に迷いが生じます。
自身の判断で優先順位を決め、実行するも「なぜ、まだできていないのか?」、「それはあなたの仕事ではない」など、他者からのフィードバックで、さらに迷いが生じます。このような「迷い」がストレスの原因であり、離職に繋がる要因でもあります。
極論、「直属の上司だけを見なさい」「直属の上司の指示を聞きなさい」といった環境を意図的に構築することで、「迷い」は解消されます。そのため、組織図は、非常に重要な位置付けと考えられます。
直属の上司は、誰なのか。自身の評価者は誰なのか。誰の指示に従い、業務を実行すればいいのか。あわせて、自身が求められている役割は何なのか。誰からなにを求められているのかが明確であればあるほど迷いなく集中して業務に取り組むことができます。
3.マネジメント層のマネジメント力が不足している
「上司には人間力が必要だ」
「上司は、誰よりも率先垂範して業務に励む必要がある」
「ルールがなく自由な環境のほうが部下はモチベーション高く仕事をしてくれる」
「目標を与えないほうが、主体的に考え、よりよい成果を出してくれる」
これらの例は、すべてマネジメントをする立場として誤っている思考です。いわば、マネジメント層の誤解です。このマネジメント層のよかれと思った言動が、実は、組織内での誤解や錯覚を生み、仕事に集中できない環境となり、離職に繋がっている事象は、本当に多く発生しています。マネジメントを正しく理解し、実行することが求められるため、組織としてマネジメント層に注力する必要があることはお伝えしておきます。
4.事実の仕組みが理解できていない
新入社員研修などにも繋がってくる考えですが、「労働者」として事実の仕組みを理解するということは非常に重要です。
「社員の一員になったら会社を評価する立場ではなく、会社(上司)から評価される立場になる」
「会社は、社会から結果でのみ評価されている。社員も会社から結果でのみ評価される。頑張りは、評価されない」
これらは事実であり、この事実から目を逸らし、他責の思考で働くことで、「この会社は合わなかった」「この会社はおかしい」などと、離職する理由を会社や上司にする傾向を多く見受けられます。そのためにも会社は、入社早々、「事実の仕組み」を認識させ続けることが重要となります。
5.評価制度が正しく作られていない
人事評価制度を見直すことは、非常に重要なポイントです。
「上司から嫌われているから私の評価は、上がることはない」
「この会社での将来がみえない」
まとめ
これらは、人事評価制度が正しく作られていないことが問題と考えられます。一般的に中小零細企業では、人事評価制度の作成は後回しになりがちです。離職で悩まれているようであれば、まずは評価制度の見直しをご検討ください。
離職の多くの原因は、組織側にあります。ここから目を背けては、本当の意味で働きやすく、成長し続け、社会に価値を提供し続ける会社にはなりません。どれだけ社会性があり、評価されるビジネスモデルを持っていても組織が弱ければ長続きはしません。
もし、離職で悩まれている方がいらっしゃれば、組織とマネジメントを見つめ直し、改善の第一歩を踏み出してみてください。
堀江 貴寛
株式会社識学
上席コンサルタント 営業部
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