米国金利は低下に向かうのか
――では、米国の金利は低下に向かっていくということでしょうか?
荒磯「そこは不透明なところです。[図表3]をご覧ください。米国の金利が今後どう変化するか、金融市場の関係者の予想をグラフにしたものです。
シリコンバレー銀行の破綻する前の2月28日と破綻後の3月27日では大きく異なり、利下げが急がれるとの見方が強まっています。ところが、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)の態度は以前として大きくは変わっていません。
――なぜ、市場参加者と中央銀行の見解にギャップが生じているのでしょうか。
荒磯「“インフレが収まらないと利下げはできない”というのが、現在のFRBのスタンスです。金融不安に対しては、インフレ率が下がれば利下げという強力な一手が出せるのですが、それが難しい限り、金融市場が不安定な状態におかれるリスクも長期戦が考えられます」
――今回の金融不安は、リーマン・ショックとは性質が異なるとのことでしたが、しばらくはFRBの動向を注視する必要がありそうですね。
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荒磯 亘
運用戦略部/ポートフォリオ戦略室長
アライアンス・バーンスタイン株式会社
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