「消費税増税」は「法人税減税」のため!?…日本政府がひた隠す、“税金の不平等な真実”【森永卓郎が暴露】

「消費税増税」は「法人税減税」のため!?…日本政府がひた隠す、“税金の不平等な真実”【森永卓郎が暴露】
(※写真はイメージです/PIXTA)

3%から5%、8%、10%と、増税を続けてきた消費税。「消費税は誰でも買い物したときに支払うから平等だ」といわれますが、実際には「とてつもなく不平等なしくみ」であると、テレビやラジオなど多くのメディアで活躍する経済アナリストの森永卓郎氏はいいます。いったいどういうことなのでしょうか。本記事で詳しくみていきましょう。

増えた消費税は「法人税の減税」に回っている

すでに消費税の増税(消費税率のアップ)は、俎上(そじょう)に載せられている。これは過去の税収の動きから見て確かなことだ。消費増税で増えた税収のかなりの部分は、法人税の減税に回っている。これは単純に法人税と消費税の推移をみれば明らかだ[図表1]。

 

出典:『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』(角川新書)より
[図表1]消費増税分は法人税減税に回っている 出典:『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』(角川新書)より

 

この点について、2022年6月19日のNHK『日曜討論(にちようとうろん)』で自民党の高市早苗(たかいちさなえ)政調会長(当時)が「消費税は法律で社会保障に使途が限定されている」と否定したが、お金に色はついていない。社会保障費は、最大の歳出項目だから、消費税が充てられていると強弁しても、表面上は矛盾しないのだ。

 

ただ、「金持ちと大企業の減税」と「庶民と中小企業の増税」は常にセットで実施されてきた。それが小泉純一郎政権以来ずっと続いてきている。それをやめれば庶民の負担増はなくなるのだが、増税派議員はいつも「消費税は全額社会保障の財源になっている」と言う。

 

これも2022年6月26日のNHK『日曜討論』での発言だが、自民党の茂木敏充(もてぎとしみつ)幹事長は「消費税は年金、介護、医療、そして子育て支援、社会保障の大切な財源。これを野党のみなさんがおっしゃるように、下げるとなりますと、年金財源3割カットしなければいけません」と言って脅した。

 

2022年7月に行われた参議院選挙では、れいわ新選組の山本太郎(やまもとたろう)代表が消費税の廃止を打ち出していた。しかし、党首討論などでそれを訴えると、他の党の党首は鼻で笑うような反応を見せて、山本代表が間違っているような雰囲気を醸し出していた。 

 

私は、山本代表の主張する経済理論は非常にまともだと思っている。彼の理論は、経済学者で立命館大学教授の松尾匡(まつおただす)さんがサポートしている。間違ったことなど言っていないのだ。

 

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    ※本連載は、森永卓郎氏の著書『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』(角川新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

    増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学

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    森永 卓郎

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    増負担時代。給与の半分を税金等で持っていかれる! いま、家計を救うには? 2021年度の負担を見ると、「租税負担28.7%」、「社会保障費負担19.3%」で、合計負担率は、48%まで増えている。しかし、庶民を救うべき政府は…

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