貸借対照表は「3つの項目」で読む! 「会社の財政状態」がよくわかるポイント【人気簿記講師(税理士)が解説】

貸借対照表は「3つの項目」で読む! 「会社の財政状態」がよくわかるポイント【人気簿記講師(税理士)が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今日、会計の知識は、あらゆるビジネスパーソンにとって必要なものとなっています。税理士・民間企業の経理担当役員で人気簿記講師でもある石川和男氏が、著書『決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」』(PHP研究所)から、決算書の「読むべき項目」や「順番」について、誰にでもわかりやすく解説します。今回は、貸借対照表のポイントについてお伝えします。

負債とは、将来お金を支払う義務

負債とは、つまり借金のこと。将来、お金を支払う義務です。

 

銀行や仕入先から借りているお金、商品などを仕入れてお金を後から支払う義務、従業員から預かっている所得税や社会保険料なども負債です。

 

資産のところで説明した貸付金。貸主がいれば借主もいます。借りている立場からすると、将来お金を支払う義務になります。借金を忘れずに返すために「借入金」という科目で「負債の部」に記録をしておき、約束どおりに返済するとその科目を消滅させます。

 

また、商品代金をまとめて受け取る側がいれば、まとめて支払う側もいます。商品を販売して将来お金を受け取る権利が売掛金でした。一方、商品を購入して将来お金を支払う義務を「買掛金(かいかけきん)」といいます。「掛けで買った代金」で買掛金です。

 

負債には、「有利子負債」と「無利子負債」があります。

 

有利子負債は、文字どおり「利息を支払う義務の有る負債」です。お金を借りた場合には、元本だけの返済だけでなく、利息もプラスして返済することになります。短期借入金、長期借入金、社債のように、他人からお金を借りて利息を支払う科目が該当します。

 

一方、無利子負債も文字どおり「利息を支払う義務の無い負債」です。支払手形、買掛金、未払金、預り金、前受金など、利息が不要な負債です。

 

会社では、純資産である自分で用意したお金(自己資本)と、負債である他人から借りてきたお金(他人資本)で、会社経営を行っています。

 

返す必要のない自己資本の割合が多いほど、会社は安定します。自己資本が多いことが理想的ですが、自己資本で賄えず他人資本で賄うなら、利子(費用)のかからない無利子負債の割合を増やすことが戦略上重要です。

 

たとえば、有利子負債に頼らないように、無利子負債である支払手形や買掛金の支払い期日を延ばすなどです。

 

また、財務的戦略として、受取手形や売掛金などの受け取りは1日でも早くに回収し、支払手形や買掛金などの支払いは1日でも長く延ばすことで、資金繰りは楽になります。

 

会計では、将来、お金を支払う義務を負債といい、貸借対照表の「負債の部」に記録します。

 

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決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」

決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」

石川 和男

PHP研究所

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