「損益計算書」がスッキリわかる…3つの「収益」・5つの「費用」・5つの「利益」【人気簿記講師(税理士)が解説】

「損益計算書」がスッキリわかる…3つの「収益」・5つの「費用」・5つの「利益」【人気簿記講師(税理士)が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今日、会計の知識は、あらゆるビジネスパーソンにとって必要なものとなっています。税理士・民間企業の経理担当役員で人気簿記講師でもある石川和男氏が、著書『決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」』(PHP研究所)から、決算書の「読むべき項目」や「順番」について、誰にでもわかりやすく解説します。

「売上高」を計上するために必要となる数値

このように、収益である売上高を計上するためには、消しゴム職人が作った消しゴムの購入代金(売上原価)のみならず、様々な費用が発生するのです。

 

これら、売上原価以外で販売するために必要な費用である「販売費」と、会社を経営する上で必要な費用である「一般管理費」を合わせて「販売費及び一般管理費」といいます。

 

【販売費及び一般管理費】

・給与……社員に支払う労働の対価(役員は役員報酬)

・福利厚生費……従業員のための娯楽慰安、保健衛生、寮費会社負担分など

・支払地代……土地を借りて使用している場合の賃借料

・支払家賃……建物を借りて使用している場合の賃借料

・水道光熱費……電気・ガス・水道などの料金

・広告宣伝費……宣伝のための支払額

・交通費……電車賃、バス代、タクシー代など

・発送費……商品発送の運賃

・租税公課……収入印紙、固定資産税などの税金

 

では、もう一度整理します。

 

自社では、この1年間で100円の消しゴムを1万個販売しました。

 

売上高は、@100円×1万個=100万円

 

売上原価は、@70円×1万個=70万円

 

100円-70万円=30万円(売上総利益)

 

このとき、給料が1万5,000円、広告宣伝費が3,000円、保険料が2,000円なら、販売費及び一般管理費の合計は2万円になるので、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きます。

 

30万円(売上総利益)-2万円(販売費及び一般管理費)=28万円(営業利益)

 

ここで出てきた利益を「営業利益」といいます。営業利益は、その名のとおり会社の営業、つまり本業による利益、本業の成績といえます。

 

そして本業があれば本業以外もあります。

 

本業以外の収益・費用のうち、毎期継続して発生する収益を「営業外収益」、費用を「営業外費用」といいます。

 

一方、本業以外で毎期継続せず滅多にないレアケースな収益を「特別利益」、費用を「特別損失」といいます。

 

たとえば、銀行に預金して得られる受取利息(営業外収益)、逆に借り入れていることで支払う支払利息(営業外費用)。

 

これらは毎回発生するので営業外の収益・費用です。

 

一方、明治時代に購入した土地を売って土地売却益が発生した、火事にあって火災損失が発生したなど、滅多にないレアケースは特別な収益・費用になります。なぜなら毎期、土地を売ったり、火事になったりしませんよね。

 

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決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」

決算書は、「ここ」しか読まない 企業の伸びしろを1分で見抜く「読み方のルール」

石川 和男

PHP研究所

●決算書を読むのに、煩雑な会計知識は一切不要! ●合格率No.1簿記講師が教える「重要項目」と「読む順番」 ●最短最速で企業分析できて、投資・ビジネスに役立つ1冊! 本書は、これまで決算書を読むことに苦手意識を抱…

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