「売上高」を計上するために必要となる数値
このように、収益である売上高を計上するためには、消しゴム職人が作った消しゴムの購入代金(売上原価)のみならず、様々な費用が発生するのです。
これら、売上原価以外で販売するために必要な費用である「販売費」と、会社を経営する上で必要な費用である「一般管理費」を合わせて「販売費及び一般管理費」といいます。
【販売費及び一般管理費】
・給与……社員に支払う労働の対価(役員は役員報酬)
・福利厚生費……従業員のための娯楽慰安、保健衛生、寮費会社負担分など
・支払地代……土地を借りて使用している場合の賃借料
・支払家賃……建物を借りて使用している場合の賃借料
・水道光熱費……電気・ガス・水道などの料金
・広告宣伝費……宣伝のための支払額
・交通費……電車賃、バス代、タクシー代など
・発送費……商品発送の運賃
・租税公課……収入印紙、固定資産税などの税金
では、もう一度整理します。
自社では、この1年間で100円の消しゴムを1万個販売しました。
売上高は、@100円×1万個=100万円
売上原価は、@70円×1万個=70万円
100円-70万円=30万円(売上総利益)
このとき、給料が1万5,000円、広告宣伝費が3,000円、保険料が2,000円なら、販売費及び一般管理費の合計は2万円になるので、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きます。
30万円(売上総利益)-2万円(販売費及び一般管理費)=28万円(営業利益)
ここで出てきた利益を「営業利益」といいます。営業利益は、その名のとおり会社の営業、つまり本業による利益、本業の成績といえます。
そして本業があれば本業以外もあります。
本業以外の収益・費用のうち、毎期継続して発生する収益を「営業外収益」、費用を「営業外費用」といいます。
一方、本業以外で毎期継続せず滅多にないレアケースな収益を「特別利益」、費用を「特別損失」といいます。
たとえば、銀行に預金して得られる受取利息(営業外収益)、逆に借り入れていることで支払う支払利息(営業外費用)。
これらは毎回発生するので営業外の収益・費用です。
一方、明治時代に購入した土地を売って土地売却益が発生した、火事にあって火災損失が発生したなど、滅多にないレアケースは特別な収益・費用になります。なぜなら毎期、土地を売ったり、火事になったりしませんよね。
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