日経新聞を“効率的に読む”コツ
日経新聞を読むのに何時間も費やせる人はいいが、ただ闇雲に時間を費やしてもそれほど重要でない記事に惹かれてしまう可能性がある。また、多忙な人なら各紙面をすみずみまで読むことは難しいだろう。
そこで覚えておきたいのが、新聞を読むコツだ。
まず、どの新聞も見出しがあり、大見出し、中見出し、小見出しを読むだけでも、日々の出来事を知ることができる。
次いで、大きく扱われている記事には大見出しのあとにリード文が付いているので、リード文を読めばその記事の概要がわかる。そしてその詳細は本文に書かれている。
つまり、新聞は大・中・小の“3段論法”で構成されているということを再認識しておきたい。
日経新聞の構成は、その日のトップニュースが掲載されている1面から始まって、総合、政治・外交、経済・政策の紙面へ、次いでオピニオン、金融経済、グローバル市場、国際・アジアBiz、ビジネス・テック、投資情報、マーケット商品、マーケット総合、マーケットデータ、証券、経済教室、医療・健康、教育、特集、スポーツ、社会、文化という順番になっている。
どの紙面から読み始めてもいいが、心掛けたいのは“変化や転換点”をつかむことだ。日経新聞には国内外の政治・経済の変化、企業の業績、市場の転換点など、株式投資のヒントとなる情報が多く掲載されている。
変化や転換点を知るためには、見出しや記事中にある次の8つの言葉を探し出して、このキーワードに引っかかった記事があれば、その中身を読むようにする。
ついでに記事の要点に傍線を引くなど、マーキングしておけば記事の内容が頭に入りやすいし、切り抜いてファイリングした後に検索しやすくなるだろう。
① ぶり(〇〇年ぶり、〇〇期ぶりなど)
② 年(〇〇年以来など)
③ 初(初期、史上初、世界初、業界初など)
④ 最(最高、最低、最長、最多、最大など)
⑤ 新(更新、新技術、新たな取り組みなど)
⑥ 発(発見、発明、発表、日本発など)
⑦ 脱(脱〇〇、脱退など)
⑧ 改(改革、改正など)
この8つの言葉は、見出しや本文によく使われているので見つけやすく、変化や転換点をピックアップするのに大いに役立つ。
たとえば、「〇〇分野の業績が〇〇年ぶりに回復」という記事があれば、〇〇分野が低迷期を脱したことが読み取れる。
また、「業界初の商品開発」という記事があれば、その商品には競合がいないという意味となり、近いうちに売れ行き好調になることが予測される。
「初の海外進出」という記事があれば、同業他社がこれに続き、その市場が拡大することが考えられる。あるいは「新技術開発」と書かれていれば、その企業の業績や事業環境に何らかの変化が起こることが予測される。
他にも「首位、転換、一転」など、変化や転換点を示唆する単語があるので、先の8つの言葉を探すことに慣れてきたら、こうした単語にも注目するとよいだろう。