(※写真はイメージです/PIXTA)

投資家の情報収集ツールとして高い人気を誇る日経新聞。毎日隅々まで目を通している熱心な投資家も少なくありません。「日経新聞の切り抜き」を25年間継続し、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は「日経新聞の読み方にはコツがある」といいます。では、そのコツを習得することで日経新聞からどのようなことが読み解けるようになるのか、渡部氏の事例を交えてみていきましょう。

日経新聞を“効率的に読む”コツ

日経新聞を読むのに何時間も費やせる人はいいが、ただ闇雲に時間を費やしてもそれほど重要でない記事に惹かれてしまう可能性がある。また、多忙な人なら各紙面をすみずみまで読むことは難しいだろう。

 

そこで覚えておきたいのが、新聞を読むコツだ。

 

まず、どの新聞も見出しがあり、大見出し、中見出し、小見出しを読むだけでも、日々の出来事を知ることができる。

 

次いで、大きく扱われている記事には大見出しのあとにリード文が付いているので、リード文を読めばその記事の概要がわかる。そしてその詳細は本文に書かれている。

 

つまり、新聞は大・中・小の“3段論法”で構成されているということを再認識しておきたい。

 

日経新聞の構成は、その日のトップニュースが掲載されている1面から始まって、総合、政治・外交、経済・政策の紙面へ、次いでオピニオン、金融経済、グローバル市場、国際・アジアBiz、ビジネス・テック、投資情報、マーケット商品、マーケット総合、マーケットデータ、証券、経済教室、医療・健康、教育、特集、スポーツ、社会、文化という順番になっている。

 

どの紙面から読み始めてもいいが、心掛けたいのは“変化や転換点”をつかむことだ。日経新聞には国内外の政治・経済の変化、企業の業績、市場の転換点など、株式投資のヒントとなる情報が多く掲載されている。

 

変化や転換点を知るためには、見出しや記事中にある次の8つの言葉を探し出して、このキーワードに引っかかった記事があれば、その中身を読むようにする。

 

ついでに記事の要点に傍線を引くなど、マーキングしておけば記事の内容が頭に入りやすいし、切り抜いてファイリングした後に検索しやすくなるだろう。

 

① ぶり(〇〇年ぶり、〇〇期ぶりなど)

② 年(〇〇年以来など)

③ 初(初期、史上初、世界初、業界初など)

④ 最(最高、最低、最長、最多、最大など)

⑤ 新(更新、新技術、新たな取り組みなど)

⑥ 発(発見、発明、発表、日本発など)

⑦ 脱(脱〇〇、脱退など)

⑧ 改(改革、改正など)

 

この8つの言葉は、見出しや本文によく使われているので見つけやすく、変化や転換点をピックアップするのに大いに役立つ。

 

たとえば、「〇〇分野の業績が〇〇年ぶりに回復」という記事があれば、〇〇分野が低迷期を脱したことが読み取れる。

 

また、「業界の商品開発」という記事があれば、その商品には競合がいないという意味となり、近いうちに売れ行き好調になることが予測される。

 

の海外進出」という記事があれば、同業他社がこれに続き、その市場が拡大することが考えられる。あるいは「技術開発」と書かれていれば、その企業の業績や事業環境に何らかの変化が起こることが予測される。

 

他にも「首位転換一転」など、変化や転換点を示唆する単語があるので、先の8つの言葉を探すことに慣れてきたら、こうした単語にも注目するとよいだろう。

 

次ページ株式投資は「森羅万象」を織り込む?

※本連載は、2023年2月25日刊行の渡部清二氏による著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

渡部 清二

KADOKAWA

いつも読んでいる記事・数値がお宝株のストーリーに変わる! 会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9,000日以上記録し続けた投資のプロが贈る「三種の神器」の投資術! 1日5分、11項目の…

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