国が行う移住支援金制度
国は都心への人口集中を防ぐため、2019年から地方へ移住したい都心部に住んでいる人や地方で起業したい人を対象とした移住支援制度を設けました。国と地方自治体が行っているものは、同じ移住支援制度でも内容が異なります。後ほど地方自治体の制度について説明するため、まず国の移住支援制度について見ていきましょう。
移住や起業支援金は100万円以上寄付される
国が行う移住支援制度は2種類あります。移住を促進するための「地方創生移住支援制度」と、地方で起業したい人に向けた「地方創生起業支援事業」です。2つの特徴は、何といっても100万円以上の支援金がもらえる点でしょう。それぞれの特徴は以下の通りです。
地方創生移住支援制度
【条件】
・移住(必須)
・地方での起業
・地域の重要な企業に就職(移住支援金が対象先であること)
・テレワークに伴う移住の場合、自分の意思であること
※地域の重要企業とは、移住支援金対象マッチングサイトの求人やプロフェッショナル人材などから紹介された企業を指します。
地方創生起業支援制度
【条件】
・新たに起業すること
・事業継承または第二創業すること
・地域経済に貢献できる事業であること
なお起業と移住の両方を行えば、最大で300万円支援されます(単身は260万円まで)。
地方創生移住支援制度と地方創生起業支援制度の補助を受けられる人は以下の通りです。
・10年間で通算5年以上かつ直近で1年以上東京23区に通っている人(在住含む)または東京圏(条件不利地域除く)に通っていた人
・国の交付から補助準備期間完了日までに個人事業主開業届または法人設立を行う
・起業地に居住または居住予定の人
※東京圏…東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県
※条件不利地域は以下を指します
・東京都…檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村、
・埼玉県…秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、神川町
・千葉県…館山市、旭市、勝浦市、鴨川市、富津市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、東庄町、九十九里町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町
・神奈川県…山北町、真鶴町、清川村
地方創生移住支援制度や地方創生起業支援制度は、都心部の人を地方へ移住させることを目的とした制度です。そのため、東京23区や東京圏の人でないと活用できず、1年以上東京23区や東京圏に居住または通勤していないと利用できません。
グリーン住宅ポイント制度
国が用意している移住支援制度の1つに、グリーン住宅ポイント制度があります。グリーン住宅ポイント制度とは、地方移住する人を対象に省エネ性能のある家を購入した人にポイントを支給する制度のことです。新築住宅だと最大で100万ポイントも発行されます。また対象の住宅に関しても新築住宅購入から既存住宅購入、賃貸住宅の建築、リフォーム工事までも対象となっています。各々の条件や特徴は以下を参考にしてください。
新築住宅購入または建築
・一定の省エネ性能を満たす
・購入者自らが居住
・30万~100万ポイント発行
既存住宅
・2019年12月14日以前に建築された住宅
・売買代金が100万円(税込)以上
・購入者が自ら居住
・15万~45万ポイント発行
賃貸住宅の建設
・住宅へのリフォームも可能
・戸建て住宅と店舗を併用している場合は対象外
リフォーム工事
・賃貸住宅でも申請可能
・最低5万ポイント以上の工事
・工事の内容に応じてポイント発行
フラット35地域連携型
フラット35地域連携型とは、地方公共団体と住宅金融公庫が提携している制度。借入金利は一定ではなく、公共団体ごとに定める条件をクリアすると適用されます。
対象者は子育て世帯やUIJターンで就職や転職での移住で空き地を取得した人になっています。金利と適用期間に関しては、5年間金利が0.35%引き下げられます。つまりフラット35地域連携型は就職や転職、子育て世帯が東京圏から地方に移住して住宅購入するときに利用する制度のことです。
※フラット35とは全期間固定金利型住宅ローンのこと(最長で35年)
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