(※写真はイメージです/PIXTA)

老後生活で気がかりな点は、生活資金をどのように賄うのかと、もう一つ、もし、介護状態になったらどうしようかということです。ただでさえ老後資金には限りがあるうえに、介護状態になると、お金が余計にかかります。実は、一定の条件の下、自宅をバリアフリー化した場合に受け取れる助成金の制度があります。本記事ではその「高齢者住宅改修費用助成制度」について解説します。

助成金額

助成してもらえる額は、「支給限度基準額」から、介護保険制度における「自己負担割合」を差し引いた額です。

 

◆支給限度基準額

支給限度基準額は、改修工事にかかった額のうち、助成対象となる額を算定する対象となる額の上限をいい、1人あたり20万円です。夫婦で住んでいる場合は、合算して助成を受けることができます。

 

たとえば、改修工事の費用が30万円だった場合、そのうち、支給限度基準額である20万円が助成額の算定対象となります。これに対し、改修工事の費用が15万円だった場合は20万円ではなく15万円が助成額の算定対象となります。

 

ただし、改修工事の費用が支給限度基準額の20万円を超えてかかった場合、自治体によっては「上乗せ」の助成の制度を設けているところがあります。

 

◆介護保険制度における自己負担割合

介護保険制度における自己負担割合は、所得に応じて「1割」「2割」「3割」の三段階で決まっているものです。所得の基準は自治体ごとに定められています。

 

たとえば、介護保険制度の自己負担割合が「1割」、改修工事の費用が「30万円」だった場合、いくらになるか計算してみましょう。

 

支給限度基準額は上限の「20万円」です。そして、そこから自己負担割合の「1割」にあたる「2万円」を差し引いた「18万円」が、助成金額ということになります。

複数回利用できるケース(例外)

高齢者住宅改修費用助成制度を利用できるのは原則として1回のみです。

 

ただし、例外として、複数回利用できるケースがあります。それは、初回の助成金受給後に「著しい事情変更」があった場合です。

 

◆段階が3つ以上上がった場合

まず、初回の助成金受給後に、受給当時の段階が3段階以上上がった場合です。

 

たとえば、「要介護1」から「要介護4」に上がった場合や、「要支援2」から「要介護3」に上がった場合がこれにあたります。

 

この場合には、著しい事情変更があったと認められるのです。

 

支給限度基準額は初回と同様20万円です。

 

◆転居した場合

次に、転居した場合にも、転居先の住宅を改修する必要性があるならば、改めて助成金を受給することができます。

 

この場合も、支給限度基準額は20万円です。

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和泉 昭子

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