(※写真はイメージです/PIXTA)

世界を代表するIT企業として知られるGoogleは、現在にいたるまでさまざまなサービスを展開しています。Google Mapをはじめとする同社のサービスは、顧客の潜在的ニーズを引き出すことで、新たな常識として定着してきました。今回は、Googleが成功させた3つのDX事例と、日本の中小企業がGoogleから学べるDXのポイントについて、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏が解説します。

GoogleのDX成功事例3選

ここでは、GoogleがDXを推進したことによって成功した事例を3つ紹介します。

 

GCP(Google Cloud Platform)

GCPとはAmazonが展開しているAWSやMicrosoftが展開しているAzureと並び、世界で利用されているクラウドサービスの1つです。Google App Engineとして2008年にプレリリースされた後、現在は名称を変えてGCPとして多くの企業で活用されています。

 

GCPはAWSと並んでクラウドサービスを世の中に普及させたサービスです。GCPがリリースされる以前はクラウドサービスという概念がなく、多くの企業はオンプレミスという自社でサーバーを購入してシステムを構築する方法を採用していました。

 

オンプレミスは自社ですべてを管理できるため、自由度が高い一方、導入費用や運用コストが高くなる傾向にありました。また、システム開発には膨大な時間が掛かってしまうため、資金力のある企業しかオンプレミスによる開発ができませんでした。

 

しかし、GCPが登場したことで企業のシステムの在り方が大きく変化しました。クラウドサービスを活用することで、サーバを自社で設置しなければならないという当初の考え方から脱却し、導入コストや運用コストを抑えながら、自社サーバを保有するような形でシステムやサービス運用が可能になりました。GCPは多くの企業にシステムの新しい活用方法を提示した新的なサービスといえるでしょう。

 

Google Duplex

Google Duplexは、ユーザーがテキストや音声で予約内容を伝えると、代わりにお店に電話発信してくれる予約システムです。アメリカでは2018年春ごろにGoogleアシスタント上でサービス提供が開始されました。

 

Google Duplexの革新的なところはAIを活用し、スケジューリングから交渉まで一括して行ってくれることです。これによりユーザーは必要な情報を入力するだけでよくなり、多くの時間を確保することができます。まだ、日本には導入されていませんが、今後導入される可能性も高いといえるでしょう。

 

Google Map

Google Mapは2005年2月にサービス提供を開始した地図サービスです。いまでは、個人、企業問わず多くの人が利用しています。Google Mapが登場する前は紙の地図でしか調べる方法がありませんでした。Google Mapが登場したことによって時間が掛かっていた検索を簡略化することが可能になりました。

 

また、現在のGoogle Mapはそれだけではありません。行きたい場所に至るまでの経路も公共交通機関、自動車、徒歩、自転車など様々な方法で経路を調べることができるようになりました。

 

また、店舗情報をカテゴライズ化し、口コミや評判まで一緒に表示することで、お店探しをGoogle Map1つで完結させることも可能にしました。これによりユーザは行きたい場所を探して、経路検索するという手間を短縮させただけでなく、新しい場所に繰り出すことも容易となり、人々の活動範囲の拡大に寄与したサービスとなりました。

GoogleのDX化を取り入れて自社DXを推進するには

ここまでGoogleのDX成功事例を紹介してきました。3つのDXに共通していることは、これまで当たり前だと思っていたが、実は当たり前ではなかったというユーザの潜在的ニーズを引き出した事にあるはずです。

 

たとえばですが、GCPではこれまでオンプレミスが当たり前だったところからシステムの在り方を変革し、クラウドサービスという新しい概念を生み出しました。Google Duplexは、毎回電話を掛けるという地味に大変な作業をAIによって簡略化させる試みとしてプロジェクトがスタートしました。

 

自社のDXを推進する際にも、これまで当たり前だと思っていたサービスを当たり前と思わないことが大切です。新たな切り口から顧客に貢献できる点がないかを探すことで、新しいビジネスモデルやサービスが見えてくるはずです。

まとめ

DXにはデータの利活用やセキュリティ、市場への柔軟な対応など多くの課題があります。Googleはこれらの課題を解決し、ユーザーの潜在的ニーズを引き出すことに成功しました。自社DXを推進する際にはデータの利活用を徹底して行い、新たな視点で顧客にサービスを提供できないか検討してみるとよいでしょう。

 

 

日向野 卓也

株式会社GeNEE

代表取締役社長

 

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