科学的管理法の問題点・デメリット
というわけでテイラーの新しい管理法を紹介してきました。 「こうやればうちの会社も生産性が上がるな」と感じた方もいるかと思うのですが、一方で冒頭で申し上げたとおり、なかなかこのとおりにはいかないというのが人間ですよね。
機械にやってもらうのだったらいまみたいなやり方でどんどん生産性は高まっていくかと思いますが、実際に働いているのは人間なので違ったことも考えないとうまくいかないというのは、だんだんわかってきたことです。
「効率重視」の科学的管理法 vs. 「人重視」の人間関係論
ですのでマネジメントの分野は、テイラーのような「科学的に作業を分析して効率よくやっていきましょう」という路線と「人間を大事にするマネジメントのやり方」という両路線があります。
これがずっと対立してきたのですが、いまはなんとなくそれらが融合された形で、マネジメントが成り立つようになりました。テイラーは完全な効率重視として有名になったわけで、「人間関係論」の方に関しては、別途お伝えしたいのですが、とにかくテイラーは効率重視の派閥でした。
科学的管理法への批判、問題点
テイラーが科学的管理法を広めていったのですが、当時もいろんな批判がありました。主には2つです。
■批判1:労使対立を引き起こす
1つは労使対立です。 本当は、テイラーは労使関係の対立がないようにするために科学的管理法を生み出したのですが、労使対立が起こってしまいました。
最初の例に出したように、テイラーがやったようにやれば雇う側も生産性が高まるし、雇われる側も賃金が上がったという事例がありましたが、なかなか世間的にはそれがうまく普及せずテイラーのやり方でやると労使対立が起こるという批判があったそうです。
特に、計画部と現場の対立が起こるというのがよく批判になったそうです。いまでもありますよね。管理職と現場が対立する、本部と現場が対立するなど。そういったことが計画部と現場を2つにわけたことで起こりました。
計画部がない時代というのは現場ですべてを決めていたので現場のリーダーのいうことを聞いていればすべてうまく収まったものが、「現場を知らない計画部が決めたことをなぜやらないといけないんだ!」という形で労使協定が起こったようです。
■批判2:人間性の欠如
そして、人間性の欠如。テイラーのやり方を突き詰めると、「人間は単純作業を繰り返せば生産性が上がります」という話になりますが、人間なので感情が入ります。それを考慮せずにやってきたために批判が生まれました。やはり単純作業を反復してしまうと、わざと生産性を落としたりするということも出てきたため、そういうことを考慮できなかったことで批判が起きました。
テイラーの科学的管理法は現代でも応用できる
以上、科学的管理法について解説しました。後半でテイラーへの批判もあったとお話ししましたが、先ほど科学的管理法の5つのポイントはいまでもマネジメントを考えるときに考慮しないといけない点なので、ぜひ頭に入れていただくとよいと思います。
清水 直樹
仕組み経営株式会社
代表取締役
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