「非定型業務」はどのように「定型化」する?
非定型業務(クリエイティブな仕事)をどのように効率化、定型化するのかをテーマにして、非定型業務であるウェブサイト制作を例に海外のウェブマーケティングのプロ、Brent Hodgson氏のインタビューをご紹介します。
・自分がやっている非定型業務を仕組み化してほかの人に委任したい
と悩む中小企業の経営者、リーダーは少なくありません。
Brent氏は、マーケットサムライというサービスの運営者の1人で、クライアントのウェブサイトの改善を仕事にしてきました。ウェブサイトの制作やマーケティングというのは、非定型業務といえます。クリエイティブ要素が大きく、効率化や定型化ができないと思われがちですが、彼は、“そうではない“と言います。以下からインタビューをご覧ください。
クリエイティブさが求められるウェブ制作の「課題」
ウェブサイトは、会社のセールス&マーケティングの資産であり、顧客を生み出し続け、利益を上げるためのものです。私は多くの機能していないウェブサイトを、効果が出るように変えてきました。
ウェブサイトを効果が出るようにするために多用するのが、スプリットテストです。いまのウェブサイトと違うバージョンのものを創り、アクセスを分岐させて、前バージョンとどちらが効果が上がるかを測定するというものです。
この方法の1つの問題は、違うバージョンを作る際に、クリエイティブな発想が求められるということです。前のバージョンよりも効果が出るようなものにしないとテストをする意味がないからです。これは非定型業務です。
たとえば、ヘッドラインを変更したり、画像を変更したりするのにクリエイティブさが必要になります。
私自身、このような能力を身に付けるのに、パートタイムでインターネットマーケティングに関わっていた時期を含めると約20年かかりました。私がこの仕事を始めてすぐに思ったのは、このままではビジネスをスケール(拡張)できないということでした。
ビジネスをスケールするには、私のクリエイティビティを誰かに教え、非定型業務を定型化し、ビジネスの効率を高める必要がありました。
クリエイティブな仕事は“教えることができない”?
マーケティングやデザイン等、非定型業務をしている人たちのあいだで、神話のように信じられていることがあります。
それは、非定型でクリエイティブな仕事は人に教えることができない。そして、クリエイティビティを持った人を雇うのは、高いコストがかかる、ということです。彼らは、高いクリエイティビティを他人から教えてもらうのは無理だと考えています。しかし、私の経験によれば、それは可能です。
たとえば、スティーブジョブスは、カリグラフィー※を学び、素晴らしいフォントをマックに搭載しました。しかし、彼らのような人たちは、自分がどのようにしてクリエイティブになったのか、またいいアイデアを思いついたときになにを考えていたのかを理解していないことが多い(無意識に行っている)のです。
※西洋や中東などにおける、文字を美しく見せるための手法
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