(※写真はイメージです/PIXTA)

メディアのニュースや専門家の解説を「それは当たっていない」と批判する人について、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は、読者の好みを左右するのは頷けると理解を示す一方、重要なことは別にあるといいます。では、世の中に溢れかえる玉石混交の情報と、どのように向き合っていけばよいのでしょうか、みていきます。

情報は「量」を追うよりも「質」が重要

多くの人が「情報は多ければ多いほどよい」という思い込みをしている。かつて私もその1人だった。

 

しかし、情報の精度を高めるためといっても情報の量が多ければよいというわけではない。

 

また、読者の中には「四季報読破・日経新聞の切り抜き・指標ノートだけで情報は足りるのか?」と思われる人もいるかもしれない。

 

私が証券会社時代に「日経新聞の読み合わせ会議」を始めた当初は、一般紙、業界紙、専門紙も読み合わせの対象にしていて、各自が得た情報を要約し共有していた。そして、こうした方法は広く情報を集めるためには、それなりの効果があると思っていた。

 

だが、得られた多くの情報の中から活用できる情報をいかにして絞り込むかのほうが重要で、「情報は量を追うよりも質だ」ということに気づいた。これ以降、私が主宰していた読み合わせ会議では、日経新聞のみを対象にするようにした。

 

この会議に臨むには、毎朝4時に起きて、一面のトップ記事から全ての記事を読み込んでおく必要があった。6時40分から会議に参加する部員は進行役の私から指名され、記事の要点や日々の出来事の背景を説明し、これはと思えるセクターや銘柄を選出しなければならなかった。しかも指名された部員は、私から容赦のない質問を浴びせられるので、早朝から緊張を強いられていたことだろう。

 

私の質問に対する回答は、短い言葉であることを部員たちに求めた。だらだらと説明するのは容易だが、記事に書かれているポイントとその背景を要約する訓練を続けていくと、記事を正しく理解し、物事を関連付けて考えられるようになると判断したからだ。

 

「情報の質」という点では、新聞の読み方に注意する必要がある。なぜなら、日頃、誰でも目を通しているはずの1面の記事中にある株式投資のテーマにさえ、気づかないことがあるからだ。

 

その要因は先入観を抱くことであり、日経新聞を読み慣れている投資家にありがちなことである。また、小さな扱いの記事ばかりに惹かれ、「こんなに貴重な記事があった」と一喜一憂するケースもある。

 

しかし、誰もが目にしている1面のトップニュースをはじめとして、「この記事にはこう書いてあるが、こう見えないか?」と自分なりの付加価値を見出すことが株式投資に役立つのである。

 

 

渡部 清二

複眼経済塾

代表取締役塾長

 

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※本連載は、2023年2月25日刊行の渡部清二氏による著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

渡部 清二

KADOKAWA

いつも読んでいる記事・数値がお宝株のストーリーに変わる! 会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9,000日以上記録し続けた投資のプロが贈る「三種の神器」の投資術! 1日5分、11項目の…

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