フィリピン海外直接投資「20ヵ月ぶり低水準」23年上半期は低調確定か?

4月17日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピン海外直接投資「20ヵ月ぶり低水準」23年上半期は低調確定か?
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は最新の海外からフィリピンへの直接投資の動向を中心に解説していきます。

フィリピンへの投資…低水準記録のワケ

外国直接投資(FDI)の純流入は、世界経済の不確実性の高まりが投資家心理を圧迫したため、1月に20ヵ月ぶりの低水準に落ち込みました。

 

1月のFDI純流入額は、前年同月の8億2,400万ドルから4億4,800万ドルに45.7%減少したことが、フィリピン中央銀行・Bangko Sentralng Pilipinas(BSP)のデータで示されています。1月の数字は、2021年5月に記録された4億2,600万ドル以来、最低の月間FDI流入でした。世界経済の不確実性と高インフレが投資家の心理を圧迫し続けているためです。

 

現地関連会社の債券への純投資額は、前年同月の6億4,500万ドルから56.6%減少して2億8,000万ドルに、株式および投資ファンドの株式への投資は、1年前の1億7,900万ドルから1月に6.2%減少して1億6,800万ドルになりました。

 

資本投資は主に日本、シンガポール、および米国からのもので、主に製造業、金融・保険業、不動産業に投資されています。

 

この低調なFDIは、少なくとも今年上半期は続く可能性が高いと見られています。またインフレ率は1月に14年間で最高の8.7%に加速し、その後2月には8.6%、3月には7.6%に低下しました。2022年5月以降、中央銀行はベンチマーク金利を425ベーシスポイント引き上げ、6.25%に達し、ほぼ16年間で最高の水準です。

 

マルコス大統領による投資誘致のロードショーで得た投資コミットメントが今後数ヵ月で実現することが期待されている一方で、高金利環境の中、投資の拡大は、2023年は限定的となりそうです。

 

一方、フィリピン経済自体は世界でも最も高い成長率が予想されているため、純FDIは今後数ヵ月で回復する可能性があるとの見方もあります。政府は今年、GDPの成長率を6~7%に引き上げることを目標にしています。そして、BSPは、2023年のFDIの純流入額が110億ドルに達すると予想しています。

 

注目のセミナー情報

【資産運用】5月8日(水)開催
米国株式投資に新たな選択肢
知られざる有望企業の発掘機会が多数存在
「USマイクロキャップ株式ファンド」の魅力

 

【国内不動産】5月16日(木)開催
東京23区×新築×RC造のデザイナーズマンションで
〈5.5%超の利回り・1億円超の売却益〉を実現
物件開発のプロが伝授する「土地選び」の極意

次ページフィリピン投資の一翼を担う「IT-BPM業界」最新動向

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録