各証券会社のフィリピン株式市場見通し
アナリストたちは、フィリピン証券取引所指数(PSEi)が2025年末までに7,800ポイントまで上昇する可能性があると見ています。しかし、世界的な経済の不確実性がこの見通しに影響を与える可能性も指摘されています。
ユニキャピタル証券は、2025年のPSEiの目標値を、予想される株式利益成長率10%と株価収益率13倍に基づいて据え置くと発表しています。同社は、今後のPSEiの成長を支える要因として、さらなる金利の低下と米国との関税交渉の行方を挙げています。交渉で妥協の兆しが見られれば市場の信頼感は高まるでしょう。
一方で、交渉が難航すれば、一部の業種で売りが増える可能性があります。貿易政策の安定を取り戻すことが、市場の回復には不可欠だと述べています。
最大のリスクは、世界的な貿易の不確実性です。これは、投資家の需要を減退させ、フィリピン・ペソの価値を下落させたり、中央銀行が利下げを行う余地を狭めたりする可能性があります。現在、米国による関税措置は一時的に90日間停止されています。しかし、中国製品への関税や将来的な政策変更によって、市場は依然として不安定な状況が続いています。
一方、PSEiは2024年4月7日に、過去30ヵ月で最も低い5,822.85まで下落し、ベアマーケット(弱気相場)に入ったことが確認されました。しかしその後、4月15日には1.03%上昇し、6,145.52で取引を終えるなど、いくらか回復の兆しを見せています。
ドラゴンファイ証券のアナリストは、インフレ率の低下が中央銀行の利下げの余地を広げ、経済活動を活発化させる要因となり、PSEiは年末には6,800ポイント付近で取引を終えると予測しています。実際に、フィリピン中央銀行(BSP)は政策金利を5.75%から5.5%に引き下げ、預金金利と貸出金利もそれぞれ5%と6%に調整しました。一方で、BSPのレモロナ総裁は、今後の利下げには慎重な姿勢を崩さず、インフレの再燃を防ぐために段階的な政策対応を取る方針を示しています。
AP証券は、世界貿易の不透明感を受けて、PSEiの目標値を7,752から7,546に引き下げました。また、2025年通年の企業利益成長予測も10.3%から9.7%へと下方修正しています。特に、国際貿易に依存している企業への影響を懸念しており、国際コンテナターミナルサービス(ICTSI)やジョリビー・フード(JFC)などがリスクの高い銘柄と見ています。ICTSIは貿易の流れの変化によって恩恵を受ける可能性もありますが、JFCは海外売上高の比率が39%と高く、為替レートや関税の影響を受けやすい構造でです。
消費財関連企業や製造業は、コスト上昇の影響を受けやすい一方、銀行や小売業は比較的影響が小さい可能性があります。ただし、貿易摩擦が長期化すれば、電子部品や製造業などが停滞し、銀行部門の融資も減速する可能性もあるでしょう。
このような状況下で、AP証券は現在投資すべき分野として、公益事業、不動産投資信託(REIT)、通信、電力、銀行などの「ディフェンシブセクター」を推奨しています。反対に、不動産、輸出依存度の高い消費財、実店舗型のカジノ産業などは投資を避けるべきとの見解を示しています。
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