(※写真はイメージです/PIXTA)

精神保健福祉士・野坂きみ子氏の著書『仕事で悩む若者は適応障害なのか』より一部を抜粋・再編集した本連載。ここでは、"年寄り”(筆者)が“働く若者”に対して抱えている「愚痴」とその理由について見ていきます。

病気や障害ではない…「働くこと」に対する若者の変化

非正規社員はつらいし、かといって正社員も何でもしなければならずつらい。労働時間も思うように短くならないしお給料も上がらない。若者はそんな中に放り投げられたようなものです。

 

働くことがすべてであったような時代がよかったということでは決してありませんし、もうそんな時代は来ないでしょう。今後の経済や労働環境、社会もどうなるかわかりません。

 

しかし少なくとも、働くことは人間から切り離せません。これからは働くことそのものについて考えていかないといけないのかもしれません。

 

年寄りの感想を一度吐き出したところで、どうもこれは病気や障害によって不都合の生じた人が実際の職場でうまく働けていないという事態ではなく、働くことに対する若者の内在的変化と現代の就労環境の変化が折り重なった事態ではないのかという考えに至ります。

 

高度経済成長で景気のよかった時から働いていた年寄りにはどうも理解しにくい事態であり、反面そのスタンスが当然だと思うと、現在の就労環境の変化も見えにくくなってしまいます。その狭間で若者は、働くことに病んでいく、そんな印象です。

 

 

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野坂 きみ子

1958年、札幌生まれ。
大学卒業後、精神科病院、リハビリ病院、総合病院、一般病院と30年余り病院の医療福祉相談員として働く。その後3年間、ハローワークで障害者就労支援の仕事をする。現在メンタルクリニック勤務。精神保健福祉士。北海道大学大学院社会システム科学博士後期課程中退。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『仕事で悩む若者は適応障害なのか』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

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