(※写真はイメージです/PIXTA)

精神保健福祉士・野坂きみ子氏の著書『仕事で悩む若者は適応障害なのか』より一部を抜粋・再編集した本連載。ここでは、"年寄り”(筆者)が“働く若者”に対して抱えている「愚痴」とその理由について見ていきます。

「年休は権利ですよね」…若者とのギャップの背景

そうかと思うと、何か言ってもすぐ怒る、不機嫌になる、権利は行使する(行使してもいいのだけれど)。急病などでなく突発休(突然当日になって休むこと)を出しても「年休は権利ですよね」。

 

お金にもはっきりしている(いや、いいのだけれど)。「〇月〇日からバス代が10円上がりますが、いつお給料に反映されますか?」。仕事の内容というよりも、働くことに対する自分の感情や損得に敏感な感じがします。

 

大きく分けると、思っていることや意見がなかなか言えず周りを気にするセンシティブなタイプと、はっきりモノを言って周りを気にしないアグレッシブなタイプに分かれるかもしれません。どちらにしても仕事に適応できない要素を含んでおり、年寄りからすると(いやーいいんだけどねー)と思いつつ、よく理解できない事態です。

 

いつの時代も年寄りは「今の若いモンは~」と文句を言います。しかしどうもその感触は少しずつ違ってきているようで、仕事をする姿勢というよりも仕事をする人自体のカラーが違うようです。

 

センシティブなタイプにもアグレッシブなタイプにも共通しているのは、仕事そのものに対する反応ではないということです。

 

「若いのに仕事のやり方に文句を言う」とか「自分の考えを主張する」とか、言い方が悪いとか割り切りが早いとか仕事をきっちりしないとかPCの使い方で年寄りをバカにするとかではないのです。

 

仕事の内容というよりも、どうも仕事をすることで、自分の内側にもたらされる反応によって左右されているという感じです。そのため年寄りはよくわからないのです。感触としては、仕事以前のことのようです。

 

そうは言っても、若者が一方的に悪い、おかしいということでもありません。確かに現在は労働環境も悪くなっているのでしょう。

 

働き方改革などで何とかよくしようとしているのでしょうが、経済成長も頭打ちですし、労働人口も減ってきており、昔のように丁寧に教えてもらえないまま現場に出されることもあるでしょう。

次ページ病気や障害ではない…「働くこと」に対する若者の変化

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『仕事で悩む若者は適応障害なのか』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

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