小中及び高等学校におけるクラス単位の生徒数の削減
一クラス40人制は何時の頃に決まったのだろうか。自分が子供の頃からそうだったので、少なくとも40年~50年前に決めた事であろう。
調べてみると、義務教育基本法が昭和33年に制定されているので、60年以上前に決められていた様だ。当時は団塊の世代が小学生だった頃で、一クラスに50や60人も居たのだと想像する。
それを解消させるために、一クラス40人と定めたのだろう。当時の状況を考えると、理に適った判断だった。
それから半世紀以上が経ち、その団塊の世代は祖父祖母の年齢に達している。そして当時は270万人ほど居た子供が、いまは100万人を切っている。この様な状況下で一クラスの人数を長年変えていない事には呆れてしまう。
2021年、漸く小学校の一クラスの人数を、40人から35人に変える事を決めた。今後は2年生、3年生……と順に35人に移行していき、2025年には全学年が35人以下学級になるとの事である。突破口を切り開いた文科大臣には敬意を表したい。
しかし法的には40人であったが、少子化の傾向も相まって既に多くの学校で20人~30人程度でのクラスを編成している。なので、35人よりもっと少ない学級数を、文科省には早急に制定して頂きたい。
クラス単位の生徒数の削減を処方箋として推奨する目的または狙いは、落ちこぼれの削減と、児童・生徒全体のレベルのかさ上げにある。
特に小中では落ちこぼれをできるだけ少なくしたい。勉強が好きな子供はドンドン自分で学んでいく事ができるが、勉強が嫌いな子供は一旦つまずくと勉強をする気が無くなってしまう。そのためクラス単位の生徒数を減らす事で落ちこぼれを無くし、全体のレベルアップにも繋げられる。
クラス単位の人数を少なくする事により、先生の児童・生徒への目配りをより充実させる事ができ、個々の児童・生徒に対する個別の指導もやり易くなる。この辺りの教える側からの視点でのメリットは既に随分前から認知されており、今更繰り返して述べる必要もないだろう。