(※写真はイメージです/PIXTA)

精神保健福祉士・野坂きみ子氏の著書『仕事で悩む若者は適応障害なのか』より一部を抜粋・再編集した本連載。ここでは、"年寄り”(筆者)が“働く若者”に対して抱えている「愚痴」とその理由について見ていきます。

過呼吸症候群の登場…それまでも泣いている子はいたが

この頃から過呼吸症候群が言われるようになった気がします。それまでもガーッと言われてトイレで泣いている子に会うことはありました。

 

「大丈夫よ、元気出して、慣れればできるようになるし叱られなくなるわ。ああ見えていい人なんだから(いいも悪いも仕事ができてちょっと元気がいいだけなのだが……)」

 

と言いつつお菓子の一つもあげて帰したりしました。しかし倒れられると話は違ってきます。気持ちの問題ではなく、身体症状、精神症状の問題になります。

 

ガーッと言われなくとも、仕事が期待通りできなくて叱られたり否定的な評価を受けたりした時に、泣いてリセットするのではなく身体症状、精神症状に出るということになります。

 

初めから若者が完璧に仕事ができるはずはありません。できない時は当然注意をし、指導をします。

 

ただ現在は年寄りの発動のままではなく、気を遣わなければいけません。そのためどことなくうまく注意もできませんし伝わりにくい。何となく不協和音になります。

 

さて、年寄りの葛藤の内なるつぶやきをつづってみましょう。繰り返しますが、感想であり愚痴ですから悪意はありません。もちろんちゃんと仕事ができるようになる若者もたくさんいます。ただどちらにしても少し共通点はあるかなくらいの感想です。

 

言われたことしかやらない

 

質問しない

 

思っていることを言わない

 

人からどう見られているかに敏感である

 

必要以上に気を遣う

 

自分はわかっていると思っている

 

注意をすると不機嫌になる、もしくは注意内容を無視する

 

うまく行かないと物(PCやシステムなど)や他人のせいにする

 

すぐ怒る、もしくは不機嫌になる

 

助けてもらったのにお礼を言わない

 

まずいこと失礼なことをしても謝らない  など

 

笑い話ではありませんが、入社後の研修で課題を伝え指定時間が過ぎたので行ってみると、できていない。どうしてできていないのか聞くと「ちゃんと教えてもらわなかったので、できませんでした」と答える。

 

「ボク、ほめられて伸びるタイプなんです」と、今のところ何ひとつほめるところはないのに先手を打つ。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『仕事で悩む若者は適応障害なのか』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

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