(※写真はイメージです/PIXTA)

山本翼氏の著書『電車で学ぶ英会話』より一部を抜粋・再編集し、成果を出すための英語学習についてみていきます。

では、どうやってリスニングスキルを鍛えるか?

故に、聞き分けの必要がない音は区別しなくなるので、8ヵ月頃まで聞き取れていた英語のlとrの違いが日本人で聞き分けられなくなるのはこのためなのです。

 

逆に、英語のlとrの違いになると、赤ちゃんは「アカン。lとrの音は似てるけど大事やから区別せな。」と判断します。これによって、英語については聞き分けがより敏感になっていきます。

 

まとめると、日本人のネイティブは概ね生後9ヵ月くらいから不必要な音を聞き分けなくなっていきます。これは赤ちゃんが言葉を学ぶ聞き分けの過程で日本語と英語の音声構造や音の領域の違いから出てくる現象で、これが日本人がリスニングに手こずる原因の根っこです。

 

では、苦手とするl、rの聞き分けを含めどうやってリスニングスキルを鍛えるかという話になりますが、量と質の2つを追求する必要があります。ここで、先ほどの赤ちゃんの言葉の学び方がヒントになっていくわけです。

 

リスニング学習では、「とにかく聞いて耳を慣らす」というように考える人が多くいます。これは間違いではありません。

 

1000時間以上の量が必要なのも、赤ちゃんは言葉を覚えるために必要な音声を取捨選択し、その処理を正確に行わないといけないことからデータがいっぱい必要になるので、時間も相応にかかるからです。ですので、一定の量については確保していきましょう。

 

ただ、聞き流すだけでは正直リスニング力のアップは大幅には難しいかもしれません。これが聞きたいという意識や何をテーマに聞き取るか、学習の意図を明確にすることが大事です。

 

赤ちゃんは言葉を無意識に聞き流しているのではありません。自分もコミュニケーションを言葉でとるために、親や周りの人が話すことを理解しようとしているのです。

 

要するに、英語リスニングの理論的なねらいは、音の違いを聞き分けてlやrなどの重要な違いをより敏感に区別して聞き取りができるようになり、それを言葉に発する段階までもっていくということです。従って、無目的に聞いてるだけでは学習の効果は緩やかなのですよね。

次ページ発音の質を上げる「シャドーイング」

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『電車で学ぶ英会話』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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