「日本国内で完結する」のであれば問題ないが…
高度経済成長の真っただ中で、日本国内のみで生活や社会的営みが完結するのであれば、無理に気質を変える必要はないでしょう。
ですが、国際化社会の現代では「沈黙は金、雄弁は銀」では生き残れないのです。むしろ、自分の意見や核となる技能を持っていないと、大学や企業でも戦力にならなくなります。
近頃、留学を希望する高校生・大学生が減ってきているという記事を新聞でしばしば見かけます。
その原因として、少子化や授業料の値上げ、リーマンショック後の経済の悪化、就職活動の時期の違い、国内の大学の支援の薄さ、海外の治安の問題、若者の内向き傾向など多くの理由が挙げられるのですが、逆に今の若い人の方が海外に飛び立つ意欲は段違いに高いと感じます。
そのことを示すデータとして、2019年の外務省の海外在留邦人数調査統計がありますが、この統計で永住者と長期滞在者の数が2018年に139万人を記録しました。これは年々増加していて、今後もその数については伸びていくことが予想されます。
「ミスは許されない。」日本人が持つ固定観念
日本人が持つ固定観念も、語学が苦手になる原因になっているのかなと感じます。その代表例が完璧主義だと思うのです。読者の皆様の周りでも勉強や仕事、スポーツなどで「ミスは許されない。」、「チャンスはこれっきりだ。」という雰囲気を感じたことはありませんか?
私の場合も同じで、渡英前に英語を勉強していたときには、「文法通りにしゃべらなアカン。」という間違った考えが根底にありました。これが外国語でコミュニケーションを取るときに足かせになってしまうのです。
特に私が大学のときに体感したことですが、会話の際に文法に過度に固執してしまうと、言葉が出なかったり時間のラグが生じたりすることが頻繁にありました。そうなってしまうと、話す相手に気まずい雰囲気や堅苦しい印象を与えてしまいかねません。
語学を勉強する際には文法も確かに大事なのですが、100%の完璧を追求する必要はありません。むしろ大事なのは、何としてもしゃべりたい、伝えたいという前向きなスタンスを持つことです。これだけでも相手に与える印象はガラリと変わります。