自社がすでによく知られている場合のPR戦略
自社がすでによく知られている場合は、たくさん入ってくる取材依頼を的確に捌くことが必要になります。取材依頼の中には、断ったほうがいいもの、キャパシティや優先順位を考えると受けきれないものもあります。たとえば、次のようなことがらを見極めます。
・あまり読まれていないメディアからの依頼
・ほかの製品との比較記事
・手間のかかる表を埋めないといけないもの
・アピールしたい商品や話題にしてもらいたい商品と異なる方向の取材
自社として最優先で取材してもらいたいメディアに対しては、時間がかかったとしても、優先度を上げて対応する必要があります(長時間拘束されるが、ターゲット層に刺さるテレビ番組の取材など)。
これも毎回一から「受ける」「受けない」を決めるというより、事前にある程度のルールを定めておくほうがスムーズです。くわしくは第2章の取材の受け方をご覧ください。
ニッチな市場向けのPRは、やり方が違ってきます。ニッチな市場のPR活動を得意としている会社に相談する必要があります。
たとえば、特定分野のみに利用されるネジを作っている会社の場合、芸能人を呼んで記者会見するなどの活動は合いません。予算も限られることでしょう。
専門誌に丁寧に説明することや、ネジを必要としている人がネット検索して会社のホームページにたどりつけるような仕掛けづくりが求められます。
◆どこまで社内でやるか、どこを代行してもらうのか、それともやり方を知りたいのか
どこまで社内でやるかも重要なポイントです。PR会社に担当してもらいたい部分を明確にしておきましょう。
最近増えているのは、完全代行ではなく、最終的には自走できることを目指して、「やり方を知りたいので、まずは伴走してほしい」というケースです(弊社でもおこなっています)。
やり方を教えてもらうサービスの場合、ある程度時間の使えるスタッフを担当者にする必要があります。
なぜなら代行ではないので、教えてもらいながら担当者が自ら記者とのコネクションを開拓し、プレスリリースを執筆し、取材をセットアップして実行する必要があるからです。
社内でノウハウを蓄積したいという目的であれば、そのようなタイプのPR会社に提案してもらいましょう。
加藤 恭子
株式会社ビーコミ
代表取締役