炎上は、メディアに出なくても、SNSをやらなくても起きる
すべての企業がSNSでの発信やメディア露出が元となって炎上するわけではありません。以下のように、さまざまなものが火種となります。
【炎上の火種となる可能性があるもの】
・バイトテロ
・社員を騙る匿名の人によるSNSの書き込み
・CM放映による男女差別と受け取られる可能性のあるメッセージ
・デジタルサイネージの刺激的な文言
・男性のみの講演者がずらっと並んだセミナーの案内
受け手の勘違いや、嘘の投稿で炎上するケースもあります。
2017年9月2日、著名なチケット販売サイトに絡む炎上が起きました。発端は、「入金後にミュージカルのチケットが突然キャンセルされ、カスタマーセンターからは真相究明に2週間程度かかると言われた」という趣旨のツイートでした。
このツイートには、証拠として領収書やメールのスクリーンショットなどが添えられており、ツイッター上には「ひどい会社だ」「ひどい対応だ」などの投稿が飛び交いました。
販売サイト側は、9月4日、「キャンセルやカスタマーセンターへの問い合わせ記録を確認できず、SNS投稿と弊社の理解に相違があるのでさらに調査をおこなう」と公式サイトで発表。
そして9月6日、「ツイートの発信者と連絡がつき、入金はされておらず、したがって入金後のキャンセルもなかったことが確認された。皆様にご心配をおかけしたが当社のシステムには問題がないことを確認した」と発表しました。
同日、発信者もツイートを削除し、お詫びをしてこの件は収束しました。これは、企業側には落ち度のない炎上でした。
今までの企業イメージの蓄積や、時代背景も炎上には大きく影響します。数年前のことですが、ある飲食店が安価でフォアグラ丼を出すと発表しました。高級食材を安価に提供するということで、好意的に受け止められました。
この飲食店は、リーズナブルな価格で食事を提供することで以前から多くの人に支持されてきました。一方、同じタイミングで別の企業がフカヒレ丼の提供を始めたのですが、こちらは「動物虐待だ」と大炎上しました。
どちらも、今のタイミングなら、炎上する可能性が大きいでしょう。
昔の企業ページや雑誌インタビューが、別の話題で注目されたことで、ほり返され、炎上の引き金になることがあります。
炎上しやすい企業には一定の特徴があります。それらはいずれも、だれもが知る有名企業なのです。そして、それらの多くが「BtoB」ではなく「BtoC」(実際に使ったり、食べたりできる身近な商品やサービスを提供する企業)です。
というのも、知らない企業を非難しても共感されにくいので、非難もされにくいのです。あなたの会社は当てはまるでしょうか?
炎上は、何がきっかけで起きるかはわかりません。自社の発信するメッセージ全般に意識を向けると同時に、炎上してしまった場合に備えて、最低限の対策をしておきましょう。
それによって不安は軽減しますし、何か起きた時にパニックになって火に油を注ぐような行為も避けられます。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら