書籍化に向けてすぐに動き始められたワケ

以前から佐々木さんを知っていた私は、ドアマンとしての矜持や興味深いエピソードの数々を聞かせてもらっていたこともあり、その人生と考え方を本にまとめてはどうかと勧めていました。佐々木さんも乗り気になってくれました。

「できるだけ早く本にしたい」と考えられたこともあり、結果的に自費出版のかたちになりました。知人のライターの協力も得られたので、内容の濃い一冊にできています。

発刊記念のトークショー&サイン会もORIORIで行いました。

このイベントには長年のベルファン、佐々木さんのファンが押し寄せたので、慌てて増席するほどの盛況になりました。本自体も地元メディアにも紹介されて、自費出版とは思えないほどの売れ行きでした。

その後も図書館などから佐々木さんに対する講演依頼があり、その講演会の日には出張販売もしました。そうした成果もあって初刷分はすぐに売れ、増刷した分も最終的にほとんど売り切ることができたのです。

私が佐々木さんと言葉を交わすようになったのは、専門書売り場にいた頃に佐々木さんがビジネス書をよく買いにきてくれた縁からでした。

ただ、こうした話が持ち上がったときに書籍化へ向けてすぐに動けたのは、外商になってあちらこちらに出かけていくことでつながりをつくっていたからだといえます。

『福田パンものがたり』はランキング1位に！

盛岡市民のソウルフードといえるもののひとつに「福田パン」があります。

ジャムやバター、ハンバーグや焼きそばなど、さまざまな具材やクリームを挟み込んだコッペパンです。店頭では具材の組み合わせは自由にオーダーができ、自分オリジナルのパンが食べられるのも人気の秘密です。

とにかくおいしいのです。地元民に愛されているのはもちろん、盛岡に来られた作家や出版社の人もお土産としてまとめ買いしていくケースが少なくないほどです。

それだけの人気を誇りながらも、県外に出店する予定はないと伺います。これからもずっと地域に愛されるパンをつくり続けていきたいという経営方針だからです。

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