5―収支はどうか
万博は非営利とされるものの、当然に収支は黒字である方が良い。2000年以降の登録博で、赤字と判明しているのは2000年のドイツ(ハノーバー)万博のみである(図表4)。来場者が想定を大幅に下回ったことがその原因とされる。2021年のUAE(ドバイ)万博は、新型コロナウイルス感染症の影響で、開催を1年遅らせたこともあってか、収支についてはまだ公表されていない。
なお、2025年開催に向け立候補していたフランス(パリ)は、2018年2月に立候補を取り下げた。理由は「納税者の財政上のリスクを排除できないため」としている。大阪・関西万博では昨今の物価上昇を背景に資材価格その他は当初見積もり時より上振れ、費用は更に膨らむことが想定される。発信する内容を魅力溢れるものとし、来場者を多く吸引する等で収入を確保することが求められる。
6―過去に露見した不祥事
近時、国際的な巨大イベントの誘致やスポンサー選定等に絡む汚職等の不祥事が取り沙汰される。もはや驚きをもって受け止めるという反応は少なくなってしまったのではないだろうか。
過去の万博に関して、日本と同じG7構成国で開催された2015年イタリア(ミラノ)万博で判明したことは参考になろう。各種報道によれば、開幕前に政治家や企業経営者、万博の調達責任者らが汚職や談合の容疑で逮捕された。また、これを受けインフラ担当大臣が辞任に追い込まれた。更には、開幕後、マフィア傘下企業がパビリオンや下水道を含む会場建設に関与していたことが判明し、マネーロンダリングや脱税等でも逮捕者が出た。
万博開幕は2015年5月であったが、開幕しても工事が完了していなかった。開幕時には万博反対派等による暴動も発生した。
報道によると、昨年来発覚した東京オリンピック・パラリンピックにおける一連の不祥事を受けて、万博協会はコンプライアンス規程を整備した。また、同協会はこれに関係する事業者の入札参加資格の1年間停止措置を行っている。
大阪・関西万博に関しては最初から最後までクリーンなものであった、と終了後に胸を張って言えることを期待したい。その観点からも、国民が早い段階から万博に関心を持つことは、重要であると考える。
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