(※写真はイメージです/PIXTA)

英語を学びなおすなら、“見るだけ”で英文の仕組みがわかる「意味順」式がおすすめです。英文は【だれが】【する(です)】【だれ・なに】【どこ】【いつ】という意味のまとまりで構成されており、この意味の順序で単語をあてはめれば、簡単に英文を作ることができます。本稿では佐々木啓成氏、フランチェスコ・ボルスタッド氏による共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、「現在完了形」の使い方を意味順式で見ていきましょう。

「意味順」で単語を当てはめれば、簡単に英文が作れる

■英文は【だれが】【する(です)】【だれ・なに】【どこ】【いつ】の順

 

【例文1】明日、図書館で写真を見せよう。(図表1)

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表1]意味順ボックスの使い方① 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

意味順ボックスは、基本的に「左から右へ」と進みます。「だれ・なに」の中点(「・」)は、英語の<A and/or B>の意味です。つまり、AかBのいずれか一方の場合もあるし、AとBの両方の場合もあるということです。そして、両方の場合、AとBの関係性は通常、 A⊇B(「AはBを受領・所有する」や「AはBである」)を意味します。

 

なお、「いつ」は文型とは直接関係がありませんが、時制など文の要素として最も重要とされる「する(です)」に深く関わっているために含まれています。

 

■「意味順」式なら、SVOCに置き換えずに「話す」「書く」ができる

一例として、日本人が苦手とする疑問詞のある疑問文と関係代名詞の文を作ってみましょう。意味順の枠に当てはめるだけですから、「目的語が何で、先行詞が何で…」といった“まわり道”をせずに英文が作れることを、ご理解いただけるかと思います。

 

【例文2】先週、どこへ行ったの。(図表2)

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表2]意味順ボックスの使い方② 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

疑問詞疑問文(Wh疑問文)の疑問詞(WhereやWhatなど)については、意味順の左端に【玉手箱】を置いて対応します。また、接続詞(thatやifなど)などもこの【玉手箱】を使って表します。

 

これらの基本要素に加え、オプションとして「どのように」と「なぜ」があります。これらを使って、意味順はコミュニケーションに必要な情報単位である5W1Hのすべてに対応することができます。

現在完了形(図表3)

■「過去」と「現在」をつなげて話すときの表現

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表3]出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

■現在完了形の3つの用法(図表4)

<have[has] +過去分詞>を現在完了形と呼び、①完了②経験③継続の3つの用法があります。

 

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表4]「現在完了」3つの用法 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

現在完了形の疑問文を作るときは、Have[Has]を【玉手箱】に置き、<Have[Has] +主語+過去分詞 ...?>の形にします。疑問文に対する答え方は、Yes, I have. / No, I haven’t. やYes, he has. / No, he hasn’t. のように答えます。

 

■過去形と現在完了形の違い

(1)I cleaned my room.[過去形]…現在、部屋がきれいな状態であるかはわからない

(2)I have cleaned my room.[現在完了形]…現在も部屋がきれいな状態であることを含む

 

(1)の文でわかるように、過去形はあくまで過去のことしか表すことができません。一方、(2)の文からわかるように、現在完了形は過去と現在をつないで表すことができるのです。

意味順で理解しよう

1. I have just heard the news.

(ちょうどその知らせを聞いたところです。)[完了]

 

2.  I have never seen a UFO.

(一度もUFOを見たことがない。)[経験]

 

3. He has lived in this city since 2002.

(彼は2002年からずっとこの町に住んでいます。)[継続]

 

⇒上記1~3の文章を意味順ボックスに当てはめると…(図表5)

 

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表5]意味順で理解しよう 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

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〈意味順メモ〉

現在完了形は①完了②経験③継続の3つの用法があり、<have[has]+過去分詞>を【する(です)】ボックスに置く。

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ドリルに挑戦

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表6]❶~❸の日本語の文を、意味順に当てはめてみよう出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

ジョン: Naomi, let’s go to a movie.(なおみ、映画に行こうよ。)

 

なおみ: Good timing!(いいタイミング!)❶ちょうど英語の宿題が終わったところなの。

 

ジョン: Good. I want to go to the movie theater in front of my school.(よかった。学校の前の映画館に行きたいんだ。)

 

なおみ: That old one?(あの古い映画館?) ❷1960年からずっとあるわよ。

 

ジョン: What is it like inside?(中はどんな感じ?)

 

なおみ: ❸中を一度も見たことがないわ。

 

⇒会話文に出てきた❶~❸の日本語の文を、意味順に当てはめてみましょう(図表7~9)。

 

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表7]❶ちょうど英語の宿題が終わったところなの。 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表8]❷1960年からずっとあるわよ。 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)
[図表9]❸中を一度も見たことがないわ 出所:佐々木啓成、フランチェスコ・ボルスタッド共著『改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)

 

【❶~❸の解答はこちら>>】

 

 

佐々木 啓成

京都府立鳥羽高等学校 教諭

京都府立鳥羽高等学校教諭。平成22年度京都府現職教育職員長期研修の派遣教員として、京都大学高等教育研究開発推進センターにて研修。平成26年度若手英語教員米国派遣交流事業の派遣教員として、アイオワ州立大学にて研修。意味順関連としては『明日の授業に活かす「意味順」英語指導理論的背景と授業実践』(共著:ひつじ書房)がある。また単著としては『リテリングを活用した英語指導 理解した内容を自分の言葉で発信する』(大修館書店)があり、この著書に対して一般財団法人語学教育研究所から2022年外国語教育研究賞が贈賞された。

 

フランチェスコ・ボルスタッド

奈良県立医科大学 臨床英語主任教授

奈良県立医科大学臨床英語主任教授。京都大学工学部科学英語や京都府立大学大学院科学英語担当。ヴィクトリア大学ウェリントン修士課程および京都大学博士課程修了(国費留学)。ニュージーランド教員免許所有。25年間以上教育現場での経験を持ち、CLIL(内容言語統合型学習)や協働的教育の研究者を続ける。英語教育や医療関係の共著・論文多数。

 

 

※本連載は、佐々木啓成氏、フランチェスコ・ボルスタッド氏による共著『改訂版「意味順」式で中学英語をやり直す本』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本

改訂版 「意味順」式で中学英語をやり直す本

佐々木 啓成(著)
フランチェスコ・ボルスタッド(著)
田地野 彰(監修)

KADOKAWA

【単語を「意味順」であてはめるだけ。たった1つのルールだからどんな英文もスラスラわかる!】 英語の文は「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」という意味のまとまりで構成されており、どんなに複雑…

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