一度、鏡の前で食事をしてみればわかると思うかもしれませんが、まったく鏡を意識せずに食べるのは難しいと思います。鏡がある時点で何らかの意識が働き、普段の食べる姿とは違ってしまう可能性が高いでしょう。
自分の食べる姿は、自分では見られない。けれども、他者からはすごく見られているというのが、非常に厄介です。
食べ方には生き方が表れるもの
しかも、仕事の誤りなどを指摘するのとはわけが違いますから、家族や、よほど近い間柄でもない限り、大人同士で食べ方を注意するというのは、ほとんどないことでしょう。というわけで、ひょっとしたら自分では気づかないうちに「うわ、この人の食べ方はちょっと……」と、ジャッジされているかもしれないのです。
「食べ方をジャッジされたところで、自分という人間の評価には影響しない」と思われたとしたら、とんでもない話です。
食べ方が「人物評価に直結する」と断言できるワケ
食べ方は、間違いなく人物評価に直結します。いわゆるエリート層ではなおのこと、その傾向が強くなりますから、美しい食べ方ができることがビジネスパーソンの素養の1つでもあるというのは、もう言うまでもないでしょう。
しかし私は、そのような「ジャッジ」「評価」が好きではありません。私がマナー教室を始めたのは、そのように「食べ方だけで損をする人がいなくなりますように……」との思いからです。
少し余談になりますが、たとえ初対面の方でも、その方の食べ方に触れると、たいていは、その方の性格からライフスタイルまで、さまざまなことが透けて見えてくるものです。
たとえば、「独身のひとり暮らし」「子育て真っ最中」「甘いものが大好き」「忙しい生活の人」「少し悩みを抱えている人」といったイメージが私は想像できてしまいます。
だからといって、相手を「決めつける」ことは絶対にしません。
ただ、幼少のころより「食べること」についてオタクになるほど考え、また多くの生徒さんを見てきた私自身の経験から、総合的に予想がついてしまう。そして、それは十中八九、的中しています。食べ方には、生き方が表れるのです。
ここに、私がことさらに「まず、意識が大事」とお伝えしている理由があります。
自分の食べる姿は自分では見られない。
けれども、他者からはすごく見られていて、しかも人物評価の元にもなりうる。
だからこそ、努めて「今、私はどんな食べ方をしているかな?」と自身に目を向け、「もっと美しく変えていこう」と意識できるかどうか。食べ方への意識は、今後の人生を好転させるきっかけになるはずです。
株式会社トータルフード代表取締役
小倉 朋子
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