「片手に箸、片手にレンゲ」はマナー違反⁉︎どこを取っても和食と違う「中国料理」のマナー【テーブルマナー研究家が解説】

「片手に箸、片手にレンゲ」はマナー違反⁉︎どこを取っても和食と違う「中国料理」のマナー【テーブルマナー研究家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

食の知識はグローバル社会の必須教養であり、他国の食文化への敬意がビジネスエリートの武器となります。約4万人の人生を変えてきた人気テーブルマナー研究家・小倉朋子氏の著書『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』より、「世界のエリート層の食べ方とふるまいからにじみ出る教養」について解説していきます。

料理の取り分けでは、「メンツ」「テンポ」を守る

中国人は非常に「メンツ」を重んじます。特に目上の人のメンツを潰すのはタブーですから、食事の席でも、まず目上の人から料理を取ります。料理をシェアするには周囲との共鳴、チームワークが重要です。

 

一番よくないのは、話に夢中になったりして料理を放っておくこと。

 

大皿が回ってきたら速やかに自分の分を取り、隣の人に回す。このテンポを崩さないように注意しましょう。まだ食べたくない場合は、「お先にどうぞ」とひと言添えて、速やかに隣の人に回します。

 

もちろん、自分の分を取るときは、全員にまんべんなく行き渡るよう、「何をどれだけ取っていいのか」を瞬時に判断することも大事です。

 

目安としては、全員が食べられるように「自分の分として取っていいマックス量よりも、やや少なめ」を心がけます。全員に行き渡ってから、まだ大皿に料理が残っていたら、おかわりするようにしましょう。

どこを取っても和食と違う「お皿」のマナー

新しい料理が運ばれてくるごとに、取り皿も取り替えてかまいません。和食では料理を出してくれた側の手間を省くため、極力、食器を汚さないように配慮するのがマナーですが、中国料理では違います。

 

ただし、魚の骨、肉の骨、甲殻類の殻などを自分の取り皿に置くのは、中国料理では本来は無作法とされています。残余物はテーブルに置き、「こんなにテーブルやクロスが汚れるほど、みなで楽しみました」と示すのが正式なマナーなのです。

 

この点も、自分のお皿の右奥に残余物をまとめる和食とは違いますね。

 

しかし、近年ではかなり感覚が変わってきています。中国人の間でもグローバリズムが浸透するにつれて、他文化では理解されづらい中国独自のマナーが控えられる局面が増えてきているようです。

 

「本来はテーブルに直に置く」という知識はもったうえで、周りの人の様子も窺いつつ、その場ではどう振る舞うかを選ぶといいでしょう。「知識があること」自体ではなく、「臨機応変に選択できる」ことが教養です。

 

また、取り皿を含め、お皿は持ち上げても口をつけてもいけません。

 

単品のスープ、麺類のスープ、ごはんもの、すべて器はテーブルに置いたまま、お箸と蓮華で食べましょう。

 

例外的に、ごはんをよそったボウルは持ち上げてもいいとされていますが、それでも口はつけません。

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世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー

世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー

小倉 朋子

SBクリエイティブ

約4万人の人生を変えてきた人気テーブルマナー研究家が「世界のビジネスエリートの食べ方とふるまい」を通して、「マナーからにじみ出る教養」について説く本。各国の大使や国内外の要人らとの多くの会食から、著者が得た知見…

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