マナーのつもりが大失態!?「“手皿”は自身の無作法の恥をさらすようなもの」【フードプロデューサーが解説】

マナーのつもりが大失態!?「“手皿”は自身の無作法の恥をさらすようなもの」【フードプロデューサーが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

食の知識はグローバル社会の必須教養であり、他国の食文化への敬意がビジネスエリートの武器となります。約4万人の人生を変えてきた人気テーブルマナー研究家・小倉朋子氏の著書『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』より、「世界のエリート層の食べ方とふるまいからにじみ出る教養」について解説していきます。

和室のマナー、3大ポイントは「足元」「装飾品」「服装」

畳が敷き詰められた和室には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。


和室に裸足で上がるのは無作法です。たとえ夏に「裸足にサンダル」で出かけていても、和室に上がる直前に靴下を履いて上がりましょう。


そのためには、和室に通されることを想定した事前の準備が必要ですね。靴下の色は正式な「白の無地」がベストですが、普段はそこまで厳密ではありません。ただし柄物は避けたほうがいいでしょう。


和室に上がったら、ヘリを踏まないように気をつけながら、静々と歩きます。自分が座る位置にも注意が必要です。


部屋の一番奥にある床の間は、「神様がいるところ」ともいわれ、その部屋の顔です。したがって床の間の前は上座、床の間の横の脇床の前は次席、それ以降、入口に近づくほど下座になります。目上の方とご一緒するときは、くれぐれも上座に座らないように気をつけてください。

 

自分の位置を見定めたら、ようやく腰を降ろしますが、ここでも注意。座布団を足で踏みつけてはいけません。まず座布団の左脇の畳に両膝をつき、両手を畳について両膝を座布団に乗せ、最後に両足をお尻の下に移動させる、という順序だとスマートに座布団に正座できます。


意外と見落としがちなのは装飾品です。


長いネイルや、長く華美なアクセサリーは、単に和室に似つかわしくないだけでなく、卓や膳、食器に当たって傷つける恐れがあります。料亭の女将さんから聞いたところによると、男性の腕時計も、実は大変な困りものだそうです。


そういうものを身に着けてはいけない、とは言いません。問題は、その場で気づけるかどうか。和室に通された際に、自分の装飾品の危険に気づき、さっと外して鞄にしまうという配慮ができるかどうかが、教養のある大人と教養に欠ける大人の分かれ目です。


洋服も同様です。和室に通される可能性があるときは、正座になったときに膝や太ももが露わになるショート丈のボトムスや、肩や胸元が露わになるトップスは避けましょう。


洋式の夜会などは、肌の露出が大きいイブニングドレスを着用するものですが、和の場では、極力、肌は出さないこと。靴下を持って出るかどうかの判断と同じく、その日のTPOを考えて洋服選びをする必要がありますね。


そういう意味では、マナーは、自宅で支度をしているときから始まっているのです。

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世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー

世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー

小倉 朋子

SBクリエイティブ

約4万人の人生を変えてきた人気テーブルマナー研究家が「世界のビジネスエリートの食べ方とふるまい」を通して、「マナーからにじみ出る教養」について説く本。各国の大使や国内外の要人らとの多くの会食から、著者が得た知見…

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