2023年3月13日、米カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地ポイントロマで、3者会談を終え、豪・英・米(AUKUS)のパートナーシップについて発言するジョー・バイデン米大統領、アンソニー・アルバニージー豪首相、リシ・スナク英首相((REUTERS/Leah Millis)(Thai PBS Worldより)

米英豪の3ヵ国によって発足された、中国を念頭に置いた軍事パートナーシップ「AUKUS」。そのパートナーシップの中で、約30兆円規模にもなるオーストラリアへの「攻撃型原子力潜水艦」の配備について合意がなされたという。タイの公共放送局『Thai Public Broadcasting Service』 (Thai PBS)が運営する英語ニュース・サイト『Thai PBS World』より翻訳・編集してお伝えする。

いまだ残る大きな課題、巨額の投資

一方、AUKUSについては、中国の脅威が高まる中、プロジェクトに必要な、広範に渡る技術共有に対する米国内での厳しい制限や、潜水艦の納入にかかる時間など、大きな課題が残されている。

 

ある米政府高官はロイターに対し、米国の生産能力が伸び悩んでいることを反映して「オーストラリアに売却されるバージニア級潜水艦のうち1隻か2隻は、米国で使用されていた艦船になる可能性が非常に高い」と語ったが、これには議会の承認が必要となる。

 

アナリストによれば、中国が力をつけ、必要であれば武力で台湾を奪おうとする脅威を考えると、極超音速等、より迅速に展開できる他兵器を含むAUKUSの第2段階を進めることが不可欠であるという。

 

イギリスとオーストラリアの政治関係者は、「技術共有における障壁を取り除く作業がまだ必要であり、月曜日の発表の段階ではこの第2段階をカバーしていない」と述べた。

 

一方で米政府高官は、「オーストラリアは米英の潜水艦の生産・整備能力の増強に貢献するだろう」と述べた。さらに、「ワシントンは2023年から29年にかけてすでに約束した46億米ドル(約6,026億円)に加え、潜水艦産業基盤への『2桁億米ドル』規模の投資を検討しており、オーストラリアの貢献は全体の15%未満になるだろう」と述べた。

 

2020年に欧州連合(EU)を離脱した英国は、AUKUSが自国経済の低成長率を押し上げるのに役立つと述べている。スナク英首相は、「AUKUSは“あらゆる意味で最も近い”同盟国との絆を結び、自国に安全保障、新技術、経済的優位性をもたらす」と述べた。

この記事は、GGOが提携するタイのメディア『Thai PBS World』が2023年3月14日に掲載した記事「Eyeing China, Biden and allies unveil nuclear-powered submarine plan for Australia」を翻訳・編集したものです。

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