バイデン大統領の答えは「ノー」
これに対し中国は、AUKUSを核拡散の違法行為として非難している。「この計画は深刻な核拡散リスクを構成し、国際的な核不拡散体制を弱体化させ、軍拡競争を煽り、世界の平和と安定を損なう」と、中国の国連常設代表部は発表後のツイートで述べている。
バイデン大統領は、中国がAUKUS潜水艦の取引を侵略と見なすことを心配しているかと問われ、「ノー」と答えた。彼は、中国の指導者である習近平氏と近いうちに話すことを期待していると述べたが、いつとは明言しなかった。
米国のジェイク・サリバン国家安全保障顧問は、17日金曜日、原子力潜水艦を含む北京自身の軍備増強を指摘し、次のように述べた。「我々はAUKUSについて彼ら(北京)とコミュニケーションをとってきた。そして彼らの軍備増強の意図についてより多くの情報を求めてきた」(サリバン氏)。
また、オーストラリアのマールズ国防相は「オーストラリアは中国に、潜水艦取引に関するブリーフィング(簡易的報告や事情の説明)を行った」と述べた。
AUKUSのこの協定により、早ければ2027年に米英の潜水艦が西オーストラリアに配備され、オーストラリアの乗組員の訓練と抑止力の強化に貢献することとなる。米政府関係者によると、さらにこの計画は数年後、米潜水艦4隻と英潜水艦1隻が参加することになるという。
「この計画の第一段階は、米国のバージニア級原子力攻撃型潜水艦アッシュビルが西オーストラリアのパースを訪問することで、すでに進行中である」と関係者は述べた。
岸田首相は
米国のダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は14日のメディアブリーフィングで、「米国は先週、インドネシアやマレーシアを含む東南アジアのパートナーにAUKUSの計画について通知した。それはAUKUSとは何かを明確に伝えるために必要だった」と述べた。
クリテンブリンク国務次官補は、「AUKUSの発足はインド太平洋の脅威の高まりを反映したものであり、中国が自国として統治するべく台湾や南シナ海に向けた脅威だけでなく、中国と合同演習を行っているロシアや北朝鮮からの脅威も反映している」と述べた。
台湾の外務省はこの協定を歓迎し、「我が地域の『権威主義の拡大』と戦うのに役立つ」と述べた。さらに「この3国の協力は、インド太平洋地域の民主主義国の抑止力を強化し、地域の平和と安定の維持に貢献するだろう」と声明で述べている。
アルバネーゼ豪首相は14日、日本の岸田文雄首相に電話し、本合意について説明した。岸田首相は、「この協定が地域の平和と安定に貢献すると考え、日本は一貫してこのイニシアティブを支持してきた」と述べたと、日本の外務省は声明で発表した。