※画像はイメージです/PIXTA

しっかり意欲はあるのに、目標を達成できない部下がいる……。このような状況に頭を悩ませる上司は少なくありません。こうした部下の根本的な原因は一体なんなのでしょうか? 人材育成のプロの濱中圭介氏が解説します。

目標未達が続く原因は「環境」にある?

具体的なアプローチをする前に、まずは環境を疑ってみてください。未達が続くことが許されている状況であれば、部下は自分の実力に向き合うことができません。環境というのは、たとえば評価制度です。目標未達によって減給や降格につながる制度になっているでしょうか。それもなく、「次は頑張れ」とだけいわれる環境ではなにも変わりません。その環境は経営者しかつくれないのです。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
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そして、目標に対してどれくらいの不足なのかをはっきりさせてあげましょう。成長とはできなかったことができるようになることですから、なにがどれくらいできないのか、なにが原因で未達になるのか、上司も部下も認識する必要があります。

 

そのためにはまず、目標の設定が肝心です。期日と状態を明確に設定し、ゴールに対するお互いの解釈にずれが生じないように注意してください。

 

例を挙げてみましょう。「10kmを60分で走る」であれば、目標を達成したかどうかは誰の目にも明らかですが、「10㎞を一生懸命走る」では一生懸命の基準が人によって異なるため、走り終わったあと、目標達成したかどうかわかりません。ゴールが明確になると、未達だったときの不足分もはっきりします。

 

また、定めたゴールが高すぎて、そこに到達するイメージを部下が持てないときは、より手前の目標や行動数を設定してあげるとよいです。

約束をさせる

どうやって目標を達成するかに関しては、部下自身に考えさせてください。優秀な上司ほどテキパキと細かな指示を与えがちです。ただ、よかれと思って出している指示が、部下を成長から遠ざけている場合もあります。

 

部下からすれば、「上司のいったとおりに行動したがだめだった」とか「上司のいうことを聞いても成果が出ない」などと、自分の仕事に対して責任を持とうとしなくなります。マイクロマネジメントがだめな理由はこれです。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
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指示とは行動ではなく求める結果を示すことだと認識してください。ゴールに至るまでにやり方を考えるのは部下の仕事です。「今週OOというゴールに対してXXをします」と、部下に約束させることが大切です。

 

約束をさせるには、「どうする」を繰り返してください。「一生懸命頑張ります」や「意識していきます」では、約束になりません。具体的に数字でいわせるようにすれば、約束できます。

「事前に」言い訳させる

目標未達時、部下は言い訳をしてしまいがちですよね。

 

・時間が足りなかった

・人が足りなかった

・予算が足りなかった

 

こうした言い訳をそのままにしてはいけません。言い訳が出るのはなぜかというと、責任を感じていないからです。部下は、「達成できない理由があったので、目標未達でも仕方がない」と思っています。この言い訳を排除し、部下に責任を感じさせましょう。

 

具体的には、ゴールを設定して、仕事をスタートする前に「今週の目標を達成するにあたって、懸念事項や欲しい権限はありますか」と聞いてください。

 

目標未達であった際に出てくる「時間がない」をスタート前に出させます。そして、その懸念点(本当に時間がないか)を確認するのです。確認の結果、時間があるようであれば、事実として明らかになります。本当にない場合は、どうすれば時間が作れるかを尋ねてください。

 

言い訳を排除し、時には権限を与えることを毎週繰り返していくことによって、いままでの言い訳によって責任を免れることはないのだと気付かせましょう。

 

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