相続税が中間層を直撃
負担が増えているのは所得税や住民税だけではありません。2019年10月1日から、食品などの一部の商品を除き消費税が10%になりましたし、たばこ税や酒税も総じて増税しています。
我々一般庶民になじみのなかった相続税についても2015年に大きな改正があり、申告が必要となる人が大幅に増えています。
相続税は、手厚い基礎控除額のおかげで多くの人は申告や納税をする必要がありませんでした。2014年以前の基礎控除額の計算は、「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」というもので、たとえば妻と子2人が相続する場合、基礎控除額は8,000万円となり、これを超える遺産がなければ相続税はかからなかったのです。
ところが、2015年以降、基礎控除額は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で計算するようになっています。
先ほどと同じく妻と子2人のケースで考えると、基礎控除額は4,800万円ですから、都内に住宅をもっている人などは、相続税の申告が必要になると考えられます。
この改正が行われる前は、相続税の申告が必要な人は、全死亡者の4%程度でした。しかし、この割合が今や9%を超えています。
相続税の節税が富裕層だけに必要だったのは過去の話です。これからは、多くの人が相続税のルールを知り、節税に取り組む必要があると言えます。
さらなる増税もあり得る
日本は長らく財政赤字が続いており、これを国債という、いわば国の借金によって賄っています。日本では少子高齢化で働ける人の数が減っているにもかかわらず、年金や医療などの社会保障費が増えています。
構造的に税収不足から抜け出すことができず、毎年赤字国債を発行している状況です。
こうした状況にあるため、今後も日本政府はさらなる負担増加に踏み切る可能性が高いでしょう。
財務省がホームページで公開している「これからの日本のために財政を考える」に今後の増税を予想させるような記述がありますので、いくつか抜粋したいと思います。