衝撃!こんなに増えていた「サラリーマンの税金」…それでも財務省が「日本の税金は安い、まだまだ上げられる」と考えているワケ【元国税専門官が解説】

衝撃!こんなに増えていた「サラリーマンの税金」…それでも財務省が「日本の税金は安い、まだまだ上げられる」と考えているワケ【元国税専門官が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの給料や退職金は上がらず、その反面、税金や社会保険料等の負担は増大しています。今やサラリーマンにとって、自衛手段として能動的に「節税」することが欠かせません。本記事では元国税専門官である小林義崇氏が、新刊著書『会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて』(PHP研究所)から、サラリーマンの税金がいかに重くなってきているかと、国が容赦なく増税に邁進する背景について解説します。

相続税が中間層を直撃

負担が増えているのは所得税や住民税だけではありません。2019年10月1日から、食品などの一部の商品を除き消費税が10%になりましたし、たばこ税や酒税も総じて増税しています。

 

我々一般庶民になじみのなかった相続税についても2015年に大きな改正があり、申告が必要となる人が大幅に増えています。

 

相続税は、手厚い基礎控除額のおかげで多くの人は申告や納税をする必要がありませんでした。2014年以前の基礎控除額の計算は、「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」というもので、たとえば妻と子2人が相続する場合、基礎控除額は8,000万円となり、これを超える遺産がなければ相続税はかからなかったのです。

 

ところが、2015年以降、基礎控除額は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で計算するようになっています。

 

先ほどと同じく妻と子2人のケースで考えると、基礎控除額は4,800万円ですから、都内に住宅をもっている人などは、相続税の申告が必要になると考えられます。

 

この改正が行われる前は、相続税の申告が必要な人は、全死亡者の4%程度でした。しかし、この割合が今や9%を超えています。

 

相続税の節税が富裕層だけに必要だったのは過去の話です。これからは、多くの人が相続税のルールを知り、節税に取り組む必要があると言えます。

さらなる増税もあり得る

日本は長らく財政赤字が続いており、これを国債という、いわば国の借金によって賄っています。日本では少子高齢化で働ける人の数が減っているにもかかわらず、年金や医療などの社会保障費が増えています。

 

構造的に税収不足から抜け出すことができず、毎年赤字国債を発行している状況です。

 

こうした状況にあるため、今後も日本政府はさらなる負担増加に踏み切る可能性が高いでしょう。

 

財務省がホームページで公開している「これからの日本のために財政を考える」に今後の増税を予想させるような記述がありますので、いくつか抜粋したいと思います。

次ページホームページに書かれた「財務省の考え」とは
会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

会社も税務署も教えてくれない 会社員のための節税のすべて

小林 義崇

PHP研究所

自動的に適用される節税の制度が次々と廃止され、 任意で使える節税の制度が増えている。 だからこそ、知識の違いで税金の負担に大きな差が出る! 2022年度の租税負担率と社会保障負担率を合わせた国民負担率は5割近くに上…

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