(※写真はイメージです/PIXTA)

部下に遅刻が増えた、仕事でミスが増えたなど「いつもと違う」様子があれば、相談など適切な対応が必要です。部下が相談しやすい環境を作り、部下からの相談などに対応できるようにしておきましょう。産業医の富田崇由氏がコストゼロからできる健康経営について解説します。

職場のイザはためらわず救急車を呼ぶ

■「いざというとき」のために知っておきたい職場救急

 

職場はいろいろな年齢、体調の社員が集まっています。ときには、社員が急に意識を失って倒れたり強い痛みや不調を訴えて苦しんでいたりするなどの救急事例が発生することがあります。

 

近年はAED(自動体外式除細動器)が公共施設や人が集まる場所に設置されるようになり、職場にAEDを置いている事業所も増えています。各地の消防署や保健所などでもAEDの使い方を含めた救命救急講習を行っていますので、職場で講習を受けておくのも有意義です。いざというときに慌てずに必要な対処をできるよう準備をしておくと安心です。

 

職場で脳卒中の兆候など、自分や周りの人の危険なサインに気づいたときはためらわずに救急車を呼んでください。すぐに救急車を呼んだほうがいいのは、次のような場合です。

 

〈部位別〉

・手足:突然のしびれ、突然片方の腕や脚に力が入らなくなる
・胸や背中:突然の激痛、急な息切れ、呼吸困難、痛む場所が移動する、胸の中央が締め付けられるような痛みが2~3分続く
・顔:顔半分が動きにくい、しびれる、にっこり笑うと口や顔の半分がゆがむ、ろれつがまわりにくい、うまく話せない、視野がかける、ものが突然二重に見える、顔色が明らかに悪い
・腹:突然の激しい腹痛、持続する激しい腹痛、吐血や下血がある
・頭:突然の激しい頭痛、突然の高熱、支えなしで立てないくらい急にふらつく

 

〈症状別〉

・意識障害:意識がない、意識がおかしい、もうろうとしている、ぐったりしている
・けいれん:けいれんが止まらない、けいれんが止まっても意識が戻らない
・けが、やけど:大量の出血を伴う外傷、広範囲のやけど
・吐き気:冷や汗を伴うような強い吐き気
・飲み込み:食物を咽喉に詰まらせて呼吸が苦しい、変なものを飲み込んで意識がない
・事故:交通事故にあった(強い衝撃を受けた)、水に溺れている、高所から転落

 

右のような場合は脳卒中や心筋梗塞といった病気や命に関わる緊急性の高い症状が起こっている可能性があり、処置が遅れるほど命の危険が高くなります。

 

119番に電話をして救急車を呼ぶとともに救急車が着くまでの職場での対応を指示してもらいます。必要があれば胸骨圧迫(30回)や人工呼吸(2回)を繰り返し行い、AEDを用意できるときは使用します(感染症の流行があるときは、傷病者の鼻と口にハンカチやタオルをかぶせて胸骨圧迫を行い、人工呼吸は実施しなくてもよいです)。

 

日本赤十字社で公開している「一次救命処置(BLS)―心肺蘇生とAED―」の動画などを職場の講習などに活用するのもおすすめです。

 

富田 崇由

セイルズ産業医事務所

 

 

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※本連載は、富田崇由氏の著書『コストゼロで作る小さな会社の健康な職場』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

コストゼロでつくる小さな会社の健康な職場

コストゼロでつくる小さな会社の健康な職場

富田 崇由

幻冬舎メディアコンサルティング

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